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デビュー翌年の『どんなときも。』でブレイク、槇原敬之

 今となってはスキャンダルのイメージが強いシンガーソングライターの槇原敬之が『NG』でデビューしたのもこの年。後に本人が「タイトル通り、売り上げはNGだった」と自虐したように、当初は鳴かず飛ばずだった。

槇原敬之 ©️AFLO

 それでもデビュー前から関係者が評価していた才能はすぐに日の目を見る。翌年に公開された映画『就職戦線異状なし』の主題歌やCMに起用された『どんなときも。』が大ヒットしたことでミュージシャンの地位を確立。ポップスの王道ともいえる自身の楽曲だけでなく、SMAPの『世界に一つだけの花』、ダウンタウン・浜田雅功の『チキンライス』など他者に提供したヒット曲も多く、クリエイターとしての才能は誰もが認める人気ミュージシャンだった。

 キャリアに傷がついたのは99年の覚せい剤取締法違反による逮捕。一旦は復帰し順調だったが、今年2月に再び覚せい剤所持によって逮捕されており、懲役2年、執行猶予3年の判決が下っている。

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『イカ天』バンドブームと、音楽系事務所ビーイング系

 80年代後半から続いたバンドブームは、91年に歴代最多のメジャーデビューを記録するほどの盛り上がりとなった。このブームの大きな原動力となったのが89年に始まった『三宅裕司のいかすバンド天国』だろう。わずか2年余の放送ながら、多くのバンドにチャンスを与えることになった。

 90年は、同番組をきっかけに多くのバンドがメジャーデビューを果たしている。 FLYING KIDS、JITTERIN’JINN、BEGIN、たま、など多士済々。現在、多くのバンドは解散あるいは活動休止となっているが、インディーズを含め音楽業界で活躍を続ける関係者は少なくない。

B.B.クィーンズ『おどるポンポコリン

 そしてもう一組、この年の芸能界を語るうえで外せないのが、もともとTUBEやB’zといった人気バンドを抱える音楽系事務所だったビーイングから『おどるポンポコリン』でデビューしたB.B.クィーンズ。中心メンバーだった近藤房助を筆頭に、プロミュージシャンたちが結成したグループのため真っ新なデビューではないのだが、このヒットを契機に「ビーイング系」の一大ブームが始まっていく。

 B’zが『太陽のKomachi Angel』でブレイクしたのもこの年であり、翌年以降もZARD、T-BOLAN、WANDS、大黒摩季、倉木麻衣といったビーイング系アーティストが音楽界を席巻していくことになった。

※一部不正確な記述があり、修正いたしました。12/16. 15:00