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廃校跡地で2人目の死者が…大島てるが語る「建設中に事故物件化した高級マンションの悲劇」

事故物件サイト運営人が教える“忘れられない物件” #1

2020/12/05
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そして“裏切り者探し”が始まった

 実はこの一件には、後日談があります。一連の報道後に、「誰が内部告発をしたのか」を見つけ出す、いわゆる“裏切り者探し”が社内で始まりました。結局、「内部告発者はAさんである」と特定されたのですが、なぜその人だと分かったのかというと、上司がAさんの自宅の郵便物を勝手にチェックしたからです。

 Aさんは会社から借りていたマンションに住んでいたのですが、実家に帰省中に上司がスペアキーを使って無断で部屋に侵入。郵便物まで持ち出してしまったのです。その中には、告発について新聞社や出版社などとやりとりしていた郵便物も含まれていたようです。

©iStock.com

 とはいえ、それももちろん犯罪です。この一件は裁判になり、当然上司側が敗訴。損害賠償命令が下るというグダグダの展開になってしまいました。

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 こうした事故物件の隠蔽を防ぐために、私は「大島てる」のサイトを立ち上げたのですが、なかには「ほとんどの人が住みたくないのに『大島てる』には載せられない」という物件も存在します。例えば、福岡市から西に約100キロ離れた長崎県佐世保市――。ここで起きた残忍な殺人事件に関連して、私にとって忘れがたい物件があります。次は、その一軒家の話から始めましょう。

後編に続く

廃校跡地で2人目の死者が…大島てるが語る「建設中に事故物件化した高級マンションの悲劇」

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