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「ここが犯人の育った家です」同級生を殺害した女子高生の実家特定…大島てるが目撃した“ヤバすぎる結末”

事故物件サイト運営人が教える“忘れられない物件” #2

2020/12/05
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「大島てる」に投稿された“犯人の実家”

 私が運営している「大島てる」は、投稿型のサイトです。「自分が住むマンションで人が亡くなった」「不動産屋から『ここで自殺があった』と告知された」といった確かな情報を書き込んでくれる人たちに支えられている一方で、残念ながらいたずら心や悪意を持って、不正確な情報を書き込む人たちもいます。

 かつては未来の日付を書き込んで、「ここから飛び降ります」「ここで死にます」といった、自殺予告を投稿する人もいて、それを見つけてすぐに警察に通報したことも何度かあります。

©iStock.com

 こうしたケースでは、未来の日付を設定できないようにするなど、今ではシステム上の対策を講じてはいるのですが、投稿段階で全ての情報をチェックするのはやはり難しいというのが正直なところです。

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 そして佐世保の事件の際も、犯行現場になったマンションではなく、父親が住む一軒家を「事故物件」として書き込む人が現れたのです。

確かに事故物件ではないのだが……

 そこは「凶悪な娘を育てた最低な男が住む家」であり、「猟奇的な殺人犯が育った実家」でもある……というのが、投稿の理由のようでした。しかし、犯行現場になったマンションは紛れもない事故物件ですが、その犯人が育った家自体は、誰かが亡くなっているわけではないので、当然事故物件とは言えません。

 一方で、仮にその家がいつか売りに出た場合、そこが「殺人事件の犯人が育った家である」という情報を知らずに購入してしまう人がいたとしたら、その人はいつか「騙された」という気持ちになるのではないでしょうか。

©iStock.com

 確かにここは事故物件ではないが、「住みたくない」「心理的な嫌悪感を覚える」といった点では、事故物件と変わらないのかもしれない……。そんなことを考えていると、他のユーザーから「この情報は削除したほうが良いのではないか」との指摘が寄せられました。

 それもその通りだ、と思っていた頃――。新たなニュースが飛び込んできました。その一軒家で、犯人の父親が首を吊って自殺してしまったのです。これによって、結果的にその家は本当に事故物件になり、投稿を削除する必要もなくなってしまいました。