「嫌われ一族」に8000億ウォンの資金注入案
買い手を探していたところ、16日に衝撃の統合話が発表になった。合意した案ではまず、政府系の産業銀行から、大韓航空への8000億ウォン(約750億円)の資金注入が行われる。この資金を基に、大韓航空がアシアナの株を買収する形式で進もうとしている。
「この点が、大韓航空の現経営陣への過度の優遇ではないかと批判されています。なにせ『嫌われ一族』ですからね。2014年のヒョナ氏による“ナッツリターン事件”だけではない。2018年には妹のヒョンミン氏が取引先との打ち合わせ中に激昂、相手にコップの水をかけ、その際の録音データを公開された“水かけ姫事件”もあった。経営一族がパワハラ事件を起こしてきたんです」(同前)
今回、大韓航空に投じられる8000億ウォンは、税金だ。「一企業の一経営陣にそこまでする必要があるのか?」「新型コロナによる各国の入国規制が続くのであれば焼け石に水では?」という疑問が投げかけられている。
独禁法に抵触しないのか?
そもそも、両者の統合は「独禁法で一発アウト」にも見える。統合により、国内シェア60%の航空会社が誕生するのだ。
「それが、通る可能性があるんですよ。2番手が潰れてしまえば、どのみち1番手の独占になってしまうという理由からです。特殊な事情を考慮し、公正取引委員会も認める可能性があります」(韓国経済専門メディア記者)
当然、ユーザー側からすれば「独占により料金が上がる」という不安がある。また吸収されるアシアナ側の社員の不満や不安も伝えられるなど、「ひとつもいい話がない」という状態だ。
ではなぜ、ここにナッツリターン姫が?
「現大韓航空社長のチョ・ウォンテ氏は、姫の実弟なんですよ。しかし、姫は経営に入れない。つまり、姉弟で揉めてるんです。かつてはパワハラ体質で社員と揉め、今は経営陣と揉める。まったく、何をやってんだかというところではあるのですが……」(同前)