今回は『鬼滅の刃』に注目してみました。作品のヒットの分析などは他で読んでください。
私が気になるのはただ1つ、“オヤジジャーナルに『鬼滅の刃』はどう届いたか”。その新聞読み比べ報告をします。
先日「新語・流行語大賞」が発表されましたが、あれはおじさんに届いた言葉の発表会だと私は思っています。
おじさんが使い始めることで言葉の輝きは大団円を迎える。
たとえば「インスタ映え」はオヤジジャーナルで紹介されはじめ、まもなく死にました。各紙そろって「若い女性は自撮り目的でナイトプールで泳がないのか!」と驚いていた時点でピークを迎えた。今から3年前の夏でした。
『鬼滅の刃』は単なる流行語ではなく社会現象と言っていい。なら、オヤジジャーナルにどう浸透していったのかを追うだけでまさに流行の「流れ」がわかるはず。
タブロイド紙流「鬼滅の刃」のいじり方
ではおじさんが大好きなタブロイド紙から振り返ろう。
『「鬼滅の刃」が日本経済を救う?』(夕刊フジ10月21日付)
夕刊フジの反応は比較的早かった。映画が公開されて3日間で興行収入46億円を突破したことで日本経済の話にさっそくシフトしている。王道の反応である。
続いては日刊ゲンダイ。10月29日付の紙面に、
『オジサンには理解不能 鬼滅の刃 女性支持が集まるのはどうして?』
いきなりあきらめてます。それでも「お色気シーンがほとんどない」「パワハラ・モラハラ問題を凝縮?」という独自の視点をあげ、
「インスタ映えする『聖地』が多い」
インスタ映え、まだまだ大活躍でした。
ちなみにゲンダイ師匠は3年前に『いい気なもんだよ昭恵夫人。インスタ映えを狙う日々』(2017年12月2日)という見出しもあった。世間でピークを迎えたあとからがおじさんは強いのだ。独自に言葉をモノにして乱発しだす。