ゆかりの地とは「雲取山」のことだった。雲取山は山梨の丹波山村と東京都、埼玉県にまたがっているので山梨だけのものではないのだが、大興奮の山梨日日師匠。
「公式資料によると、炭治郎が暮らしていたのは東京側の奥多摩郡の山中とされているが、作中で描かれる暮らしは、かつての丹波山村と重なる」(山梨日日)
丹波山村には炭焼きが営まれていた歴史があり、主人公・竈門炭治郎の暮らしと共通点があると主張。
丹波山村からの雲取山ルート解説では、
「山頂まで5時間、高い難易度 炭治郎の足腰鍛える?」
興奮のあまり水島新司先生ばりに現実と漫画の世界を分け隔てなく語る山梨日日師匠。
実は丹波山村は山梨県内で人口が最も少ないので「地域を活気づける好機」として期待されていた。こういった記事を読んでいると各地域の期待と興奮に共感できた。
各紙で起こったやりたい放題の「鬼滅」ネタ
さて、11月をすぎると新聞各紙は「鬼滅」ネタをやりたい放題となる。
『全集中…リラックスの呼吸 ヨガの型』(サンスポ11月6日)
健康コーナーだった。「イスに座ってカンタン健康づくり」。やはりヨガの記事です。
そうそう、菅首相が衆院予算委員会で「『全集中の呼吸』で答弁させていただく」と『鬼滅』のセリフを引用したのは11月2日。このあたりがおじさん業界に届いた第1波か。そのあと首相は学術会議問題の説明不足を問われて「集中」審議を求められる。第2波がきたのである。
では極めつけをご紹介しよう。今年のプロ野球日本シリーズはソフトバンクが巨人を圧倒。毎日新聞はスポーツ面(11月25日)で、
『G滅の刃』
『巨人暗雲の無限列車』
これぞオヤジジャーナル!
まだまだ『鬼滅の刃』の勢いは続く。先週の金曜12月4日にはコミックス最終23巻の発売に合わせ、全国紙5紙の朝刊に各キャラクターの全面広告が展開された。全紙を集めるためにこの日の新聞を「紙」で買った人は多いだろう。
広告を出してもらって新聞紙も売れた。新聞業界にとっては『鬼滅』が鬼どころか神になった日。
こうして、オヤジジャーナルに『鬼滅の刃』は完全に届いたのである。