川村容疑者は日本物理学会長も歴任したエリート科学者
川村容疑者は「性器は出していません。自慰行為はしていたが、見せつけるつもりはありませんでした」と供述しているという。
捜査関係者によると、川村容疑者は今年4月から名古屋のアパートで単身赴任中だが、家族の住む自宅は兵庫県内にある。土日には自宅に帰ることも多く、この日も家の近くにあるこのショッピングモールに出かけていたという。
川村容疑者の経歴は物々しい。東京大学理学部を卒業し、「物性物理」「統計物理」を専門に大阪大学教授や日本物理学会会長を歴任したエリート科学者だ。大阪大を退職して2017年に日本学術会議の会員に選ばれ、今年4月からはトヨタ自動車創業者の豊田喜一郎が設立した研究所に招かれ、常勤の特別研究員として名古屋市に赴任していた。
「逮捕された日に名前や住所、容疑の中身については警察発表がありました。ただ、容疑者の職業が『会社員』だったため、地元の新聞やテレビ各社はまさかそんな名のある研究者だとは気付きませんでした。名前だけ見ても分かりませんからね……。週明けになって日本学術会議のメンバーだったことがわかり、大慌てで報じました」(地元社会部記者)
川村容疑者にとって更なる誤算は、この「性器は出していない」という供述が「一部否認」と受け取られたことだったという。社会部記者が続ける。
「このくらいの軽い犯罪の場合、容疑を認めていればすぐに釈放されるのが一般的です。ただ、川村容疑者の場合はこの供述が『一部否認』と受け取られ、検察にも勾留申請されることになってしまいました」
今後問われる条例違反の罰則は「6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金」。何よりその名を極めて不名誉な形で全国にとどろかせてしまった取り返しは、つかないだろう。
川村容疑者が専門とする物性物理は、理論を基にした基礎科学で、スーパーコンピューターや超高速通信技術などの最新技術を根底から支えている学問分野。そんな最高の頭脳を持ちつつも、「分別」がつかなかったということか。
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