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左脳の4分の1は壊死してしまいました

 なんでも「俺は手術なんかしない。そのまま死ぬ」なんて言っていた人が、いざ脳の病気で倒れると、「早く手術をしてくれ」と言うそうです。だから私たちが手術を中止して自宅に戻ったあと、お医者さまは「本当に帰った人は初めてだ」と言ったとか。

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 今思えば、私は大馬鹿者ですねえ。その後、信頼できる先生に相談したところ「手術を受けた方がいい」と説得してくださり、1週間後に手術を受けることにしました。面倒くさい患者で申し訳なかったです。

 結局、手術は成功したものの脳梗塞が起こり、私の左脳の4分の1は壊死してしまいました。

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 脳を休ませるために睡眠薬が入れられ、私は集中治療室で3日間眠り続けたそうです。その間、とても嫌な夢ばかりを見ました。しかも長い夢で、なぜかお医者さんが沢山でてきました。

旦那の目が4つに見える

 目が覚めたのは4日目の朝。

 お見舞いにきてくれた旦那はマスクをつけていましたが、なぜか目が4つありました。

 まだ酸素吸入器をくわえていた私は、声を出すことができませんでしたが、心のなかで「なぜ、目が4つ?」と思っていました。左右の目のピントが合わなかったみたいです。

 私はそんな状態でしたが、旦那は、私の目を見て、むしろ安心したそうです。

「俺を見て誰だかわからないような状態になることが一番怖かった。それに比べれば車椅子だろうが寝たきりだろうがずっとマシ」と、あとになってから当時の心境を教えてくれました。

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 何日か経つと、酸素吸入器が外れた私は声を出せるようになりました。でも左脳の4分の1が壊れているので、言語障害が出た。失語症というそうです。