今年4月に引退を表明したフィギュアスケート選手の浅田真央は、きょう9月25日が誕生日。12歳のときに特例で全日本選手権に出場するなど、ジュニア時代から注目されてきた彼女も、27歳となった。

 オリンピックでは、19歳で初出場したバンクーバー(2010年)で銀メダルを獲得。続くソチ(14年)では団体で5位入賞、シングルではショートプログラムが16位とメダル争いから大きく出遅れるも、フリースケーティングで挽回し、最終順位は6位となった。このときフリーの演技で、冒頭のトリプルアクセルをはじめ、全6種類、計8度の3回転ジャンプを成功させ、最後に感無量の表情で涙を浮かべた姿は、いまも記憶に鮮やかだ。

第21回冬季オリンピックバンクーバー大会で銀メダルを獲得した浅田真央(中央) ©共同通信社

 ソチ五輪のシーズンの終わりを飾る世界選手権では、4年ぶり3度目の優勝を果たす。このあと14年から翌15年シーズンの全試合出場を見送り、休養に入った。この間、自らの進退を考えた末に現役続行を決め、15年10月のジャパンオープンより復帰。翌16年3月末から4月初めにかけての世界選手権では総合7位となる。続く16年秋からのシーズンは、翌シーズンの平昌五輪出場を目標に据えてのぞんだものの、12月の全日本選手権で12位に終わり、世界選手権の代表を逃した。それから4ヵ月後の今年4月10日、自身のブログで引退を表明、同月12日には引退会見を行なった。

ADVERTISEMENT

今年4月12日に行われた引退会見 ©山元茂樹/文藝春秋

 最後のシーズンは満足のいく演技や結果を出すことはできなかった。しかし彼女は、体力も気力もすべてを出しきったとして引退を決意したという。引退会見での「もし生まれ変わるとして、もう一度フィギュアスケーターになりたいか?」という質問に対する、「いま、こうして26歳までスケートをやってきて、いまはもう何も悔いがないので、もし、もう一度人生があるなら、スケートの道は選ばないと思います」との答えがすべてを物語っていよう(国際情勢研究会『浅田真央 引退会見全文収録』ゴマブックス)。

 浅田は現役中の2007年よりアイスショー「THE ICE」に出演、今年7月から8月にかけて大阪と出身地である名古屋で開催されたこのショーをもって、フィギュアスケート選手としてひとつの区切りをつけた。

2016年全日本フィギュアでの浅田 ©榎本麻美/文藝春秋