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「存在感が抜きんでていた」河瀨直美監督が蒔田彩珠18歳を“期待の新星”と断言するワケ

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「覚悟をもって、真摯に役を生きていた」

「蒔田さんも、ひかりとして自身の『家族』と、最初の舞台である奈良に1カ月近く生活した上で撮影をしていきました。ひかりとして実際に中学校に通い、生徒たちと仲良くなって遊びに行く。もちろん演じ手だからという澄ました様子も一切なく、現地の子供たちになじんでいました。

蒔田彩珠さん ©時事通信社

 映画のストーリーでは幸福な日常は崩れていくわけですが、そのしんどい積み重ねも彼女は、素直に体内に受け入れる。撮影も物語の順番通り進む『順撮り』という方法だったのですが、ひかりが追い込まれるほどに、蒔田彩珠自身も心を痛めていきました。あるとき『お腹が痛い』というので病院で診てもらったのですが、先生がいうには『何も悪いところはない』と。精神的に追い込まれていたのです。それほど蒔田さんは、覚悟をもって、真摯に役を生きていた」

 蒔田は、2021年春からNHK連続テレビ小説『おかえりモネ』に、清原果耶演じるヒロイン百音の妹役で出演する。

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「朝ドラという大きな作品を通じて、お茶の間にも彼女の顔が浸透していくことでしょう。体力的にハードな撮影が長期間続いたり、物語の順番を入れ替えた撮影シーンになるかもしれませんが、彼女はまったく問題ないと思います。役のリアリティの掴み方は河瀨組で徹底して学んでいるはずですから。私が太鼓判を押します(笑)」

出典:「文藝春秋」1月号

「文藝春秋」1月号および「文藝春秋 電子版」掲載の「2021年 日本を動かす21人――蒔田彩珠」で、河瀨氏は蒔田の表現者としての魅力や、海外で活躍する可能性について言及している。

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蒔田彩珠 野生動物の匂いをまとう天才女優
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