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「口の悪いネタは、お客さんがショボンと…」清水ミチコが語る、笑いと“意地悪”が行き着く先

「口の悪いネタは、お客さんがショボンと…」清水ミチコが語る、笑いと“意地悪”が行き着く先

清水ミチコさんインタビュー#3

2021/01/15

私、たぶんあと数年で消えると思う(笑)

——だんだん「面白いって何なんだろう」と迷宮入りしそうです。

清水 今のところ、自分より上の、ユーミンさんや矢野さん、小池百合子さんや瀬戸内さんをターゲットにさせてもらっているんだけど、年上で自分より有名な人だとまだみんな笑うんですよね。でも「これから」っていう子たちをネタにした時、「キャリアある人が若い子ネタにしたらかわいそうじゃないですか」ってなるから、私、ほんとたぶんあと数年で消えると思う(笑)。風前の灯。

 

——モノマネできる人がどんどんいなくなっていく……。

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清水 そうなんですよ。だから「長生きしてくれ、みんな~」って祈ってます。

——確かにそれはあるかもしれない。強いものだからいじっても許される、という感覚。

清水 そうそう。いじっていい。権力者はいいんです。

——そう考えると、政治家は最上位ですね、モノマネの。公人であり権力者だから、モノマネが「弱い者いじめ」には見えない。

清水 そうなんですよ。

——清水さんは強い女性に惹かれて、強い女性をモノマネするのに喜びを感じるとおっしゃっていましたけど、無意識のうちにそうなっていたんですね。

清水 そうなんですよね。これはウケるな、ってなったんでしょうね。

若い女性は、男の人より視線が細かいと思う

——小さい頃に思っていた「女って損だな」、今でもそう思うことはありますか。

清水 今は全然ない。女のほうがおいしいこともあるし。女性政治家のモノマネとか、お年寄りのモノマネとか。

 

——誰も気が付いてない目線で勝負する。

清水 そうですね。今もモノマネ番組を見てると、若い女性は男の人より視線が細かいんですよね。そこをモノマネするかね、というような感じ。男の人のほうがもっと大きい笑い。女の人のほうが細かくて、その分意地悪。

——確かに。ミラクルひかるさんの落合陽一のモノマネとか、すごいです(笑)。

清水 見た? 普通モノマネしようと思わないよね。おかしいよ(笑)。この前川久保玲さんがテレビにちょっと出てきて、めっちゃモノマネしたいと思ったんだけど、すぐ出なくなってしまった。「もっと出てくれよ、私のために」と思いました(笑)。