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配達員が揉めがちな相手は、客ではなく……

「同じウーバーの人と揉めたのはそれくらいですけど、タクシーの運転手とはよくモメますね。ウーバーを目の敵にしているのか、左に幅寄せしてきて通れなくしたりとか、後ろからクラクション鳴らして煽ってくるような、タチの悪い運転手がけっこういるんですよ。僕たちも自転車の運転マナーは決していいとは言えないんで、どっちもどっちなんですけど、よく怒鳴り合ったりしてるのは目撃しますね」  

 お客さんとのトラブルはないのだろうか。 

「これがほとんどないですね。僕たちがお客さんと会うのは商品を渡す、本当に一瞬だけ。最近は置き配も多いので、そもそも接点がないんです。ただ、たまに不思議なお客さんには遭遇しますね。あるとき、コンビニからウイスキーを2本届けるという注文があったんですよ。

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 品物を受け取って、どこまで配達するのかを確認したら、そのコンビニの目の前のタワーマンション。なんだよ、この距離なら自分で買いに行けよ、とは思いましたけど、こっちとしてはラクなんでラッキーと思いながら、部屋の前まで行って呼び鈴を鳴らしたんです。

 そしたらドアからガリガリに痩せた女の人がフラ~っと出てきて、震える手でウイスキーを受け取って……。これ、大丈夫かな、とは思いましたね」 

須田康夫さん(筆者提供)

飲食店サイドとのトラブルも絶えない

 配達に関するトラブルがあったら、運営センターに問い合わせをすることができる。 

「でもこれがなかなか繋がらないんですよ。そこで時間を食うよりも配達してたほうがいいんで、何かあってもだいたい自分で処理しちゃいますね」 

 配達員にとって、トラブルになりがちなのは、客サイドよりも飲食店サイドだという。ウーバーイーツのシステムでは、お客さんが注文するとまず店にオーダーが入り、そこから調理時間を予測して、出来上がった頃に店に料理を取りに来られる配達員が選ばれる。  

「だけど、店によっては着いても料理がまだ出来てないことがあるんですよ。こっちとしては待つしかないんですけど、お客さんからしてみたら、僕たちの配達が遅いということになってしまう。なので、そういう店には容赦なくバッド評価ですね」