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皇后陛下として…雅子さまファッションの“こだわり”

 そして、もともと雅子さまのお好みのデザインであるキャリアウーマン風のもの、Iラインの縦長シルエットのオーソドックスなデザインのお召し物だからこそ、長く着回されているのではないだろうか。時には、新しいアレンジを加えられて、お気に入りの上質なお召し物を20年以上もの間、丁寧に手入れされてお持ちになっている。

2020年4月10日、マスクを着用され、尾身茂氏からご進講を受けられる天皇皇后両陛下 宮内庁提供

 2019年5月に天皇陛下が即位され、雅子さまが皇后陛下となられてから1年半あまり。昨年からの新型コロナの感染拡大によって、両陛下が国民と直接お会いになる機会は減ってしまったが、オンライン行幸啓やご近影、映像などを通して、おことばだけではなく、ファッションからも伝わる思いやメッセージもあるように思う。

 昨年、赤坂御所でご進講を受けられた際も、雅子さまは様々なスーツを着回されていた。例えば、4月10日に尾身茂新型コロナウイルス感染症対策専門家会議副座長(当時)によるご進講でお召しになっていたアイボリーのスーツは、皇太子時代にマレーシアご訪問に向けて出発される天皇陛下をお見送りされる際にお召しになっていたものだ。着回しは、感染拡大の状況へのご配慮という側面もあったのかもしれない。

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2017年4月、マレーシアを訪問される天皇陛下をお見送りされる雅子さま ©時事通信社

 私はここ数年、雅子さまが皇后陛下として、どのようなお召し物で日々お出ましになるのだろうか――と考えてきたが、もしかすると、この「アレンジ」の部分で、より一層、雅子さまらしさや雅子さまのこだわりを拝見することができるのではないかと思っている。

1995年、雅子さまのお誕生日に際してのご近影 宮内庁提供

「この1年、多くの方が本当に大変な思いをされてきたことと思います。今年が、皆様にとって少しでも穏やかな年となるよう心からお祈りいたします。また、この冬は、早くから各地で厳しい寒さや大雪に見舞われています。どうぞ皆様くれぐれもお体を大切にお過ごしいただきますように」

ジャケットに「チャイニーズノット」を取り入れられた雅子さま 宮内庁提供

 ビデオメッセージで敬語や謙譲語を織り交ぜながら、丁寧にお言葉を述べられた雅子さま。2021年、両陛下は国民に向けて、どのようなご発信をなさっていくのだろうか。