「ほんと、エロは不況にもコロナにも強くて驚くね。風俗もセクキャバも、欲に負けたお客さんが絶対来るからね。緊急事態宣言が出た今だって賑わってるよ」
1月7日に出た2度目の緊急事態宣言が、1度目ほどの効果と緊張感を生み出せずにいる。日本最大の歓楽街、新宿・歌舞伎町も人出が戻り、“濃厚接触”が売りの風俗店にも客足が戻ってきているという。
「おっぱいクラスター」の今
その中の1つ、「セクキャバ」とは「セクシーキャバクラ」の略。「おっぱいパブ」とも呼ばれ、女性キャストが客の上に上半身裸でまたがり、キスなどの濃厚サービスをする飲食店だ。フロアは薄暗く、風呂やシャワーもない。女性キャストは男性客に舐められた身体をおしぼりで拭く程度で、次の客の相手をする。
感染症が広がる条件が揃った業態で、実際に昨年7月には北海道札幌市すすきのの同型店舗にてクラスターが発生。ネット上では「おっぱいクラスター」、「乳首クラスター」という言葉さえ生まれた。
一度かかったので“無敵モード”に
昨年秋には、歌舞伎町のセクキャバでもクラスターが発生している。取材班は新型コロナウイルスに感染した経験がある歌舞伎町のセクキャバ嬢・A子さんに話をきいた。
「うちのお店は春から夏の終わりにかけて、ほとんどのキャスト、黒服がコロナに感染しています。皆がコロナ経験者なので『抗体があるからもうかからない』と“無敵モード”で余裕かましてますね。コロナにかかったときの対応もさまざまで、しっかりPCR検査を受けて2週間休む子もいれば、『匂いや味がない』と言いながら、PCR検査も受けず、4~5日休んですぐに復帰する子もいました。私は高熱がでてインフルエンザのように体の節々が痛くて、症状が重かった。体の調子が落ち着いてもかなり長い間嗅覚も味覚も戻らず、自分は何を食べているんだろうという状態でした」