1月20日、第164回芥川龍之介賞(日本文学振興会主催)の選考会が東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、宇佐見りんさん(21)の『推し、燃ゆ』(文藝秋季号)が選ばれた。

 宇佐見りんさんは、1999年5月16日静岡県沼津市生まれの21歳。2019年「かか」で第56回文藝賞を受賞、同作を単行本化した『かか』でデビューしていた。芥川賞は初のノミネートだった。

宇佐見りんさん ©宇壽山貴久子

〈作品〉「かか」2019年文藝冬季号、単行本は19年河出書房新社刊=第33回三島由紀夫賞受賞、第42回野間文芸新人賞候補。「推し、燃ゆ」20年文藝秋季号、単行本は20年河出書房新社刊。

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「文藝」秋季号(河出書房新社)

 芥川龍之介賞は、菊池寛(明治21年~昭和23年)が直木賞とともに、昭和10年に制定したもの。雑誌(同人雑誌を含む)に発表された、新進作家による純文学の中・短編作品のなかから、最も優秀な作品に贈られる。正賞は懐中時計、副賞は100万円。

 現在の選考委員は、小川洋子・奥泉光・川上弘美・島田雅彦・平野啓一郎・堀江敏幸・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一の各氏が務めている。

写真提供:日本文学振興会

■第163回芥川龍之介賞 候補作(掲載誌)※作者五十音順・敬称略

宇佐見りん「推し、燃ゆ」(文藝秋季号)
尾崎世界観「母影」(新潮12月号)
木崎みつ子「コンジュジ」(すばる11月号)
砂川文次「小隊」(文學界9月号)
乗代雄介「旅する練習」(群像12月号)