1月20日、第164回直木三十五賞(日本文学振興会主催)の選考会が東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、西條奈加さん(56)の『心淋し川』(集英社)が選ばれた。

 第164回直木賞の候補者は、いずれも初のノミネートだった。

 西條奈加さんは、1964年11月9日北海道中川郡池田町生まれの56歳。東京英語専門学校卒。2005年『金春屋ゴメス』で第17回日本ファンタジーノベル大賞を受賞し、デビューしている。

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西條奈加さん ©冨永智子

〈作品〉『金春屋ゴメス』2005年新潮社刊=第17回日本ファンタジーノベル大賞受賞。『涅槃の雪』11年光文社刊=第18回中山義秀 回中山義秀 文学賞受。『まるの毬 賞受。『まるの毬(いが)』14年講談社刊=第36回吉川英治文学新人賞受賞。

『心淋し川』(集英社)

 直木三十五賞は、菊池寛(明治21年~昭和23年)が芥川賞とともに、昭和10年に制定したもの。新進・中堅作家によるエンターテインメント作品の単行本(長編小説もしくは短編集)のなかから、最も優秀な作品に贈られる。正賞は懐中時計、副賞は100万円。

 現在の選考委員は、浅田次郎・伊集院静・角田光代・北方謙三・桐野夏生・髙村薫・林真理子・三浦しをん・宮部みゆきの各氏が務めている。

■第163回直木三十五賞 候補作(出版社)※作者五十音順・敬称略

芦沢央『汚れた手をそこで拭かない』(文藝春秋)
伊与原新『八月の銀の雪』(新潮社)
加藤シゲアキ『オルタネート』(新潮社)
西條奈加『心淋し川』(集英社)
坂上泉『インビジブル』(文藝春秋)
長浦京『アンダードッグス』(KADOKAWA)