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「なんでもすぐ調べたくなる」“普通の会社員”だった川越宗一さんが41歳で直木賞作家になるまで

『熱源』誕生の舞台裏に有働由美子さんが迫る!

 今年1月、作家の川越宗一さんが2作目の長編小説『熱源』で第162回直木賞を受賞した。デビューからわずか1年半での直木賞受賞は極めて珍しい「快挙」だ。

 川越さんは大阪府出身の42歳。現在も会社勤めをする話題の作家が、「文藝春秋」4月号「有働由美子のマイフェアパーソン」に登場し、『熱源』が誕生するまでの日々を振り返った。

©文藝春秋

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有働 このたびは直木賞受賞、おめでとうございます。

川越 ありがとうございます。

有働 早速ですが、直木賞をとって生活に変化はありましたか?

川越 僕は妻と二人暮らしなんですけど、自宅にお祝いの花がたくさん届いて、植物園みたいになっています(笑)。

有働 胡蝶蘭とか、お祝いの花って大きいから。

川越 僕が酒好きなこともあって、ビールや日本酒もいただきました。お花とお酒に囲まれて、居酒屋の新装開店みたいです。

芥川賞・直木賞授賞式でスピーチする川越さん

直木賞作家になると吉野家に行きにくい?

有働 あはは、そんな状態ですか(笑)。「俺は直木賞作家だ」みたいな自覚は出てきましたか?

川越 あまりないですね。受賞会見をして、テレビにたくさん自分の顔が出たときは、「吉牛(吉野家)とかマクド(マクドナルド)とか行きづらいな、もっとええとこに行かなあかんかな」と思いました。

有働 周りのお客さんから「あ、直木賞の人が吉牛食べてはる。しかも並や!」って見られたり。

川越 「玉子ぐらい付けえや」とかね(笑)。言われるかなと。でも、そんなことはなくて、いまもふつうに食べてますよ。