〈天におられるわたしたちの父よ、み名が聖とされますように。み国が来ますように。(略)日ごとの糧を今日もお与えください。わたしたちも人をゆるします。わたしたちを誘惑におちいらせず、悪からお救いください。アーメン〉
キリスト教を掲げる大阪の私立A中学では、朝礼にお祈りの時間が設けられている。「マタイによる福音書」に由来するこの一節は、神への感謝と誓いを表している。しかし現実には、安全であるべき学校の中に“誘惑”が忍び込んでいた。ある日のお祈りの後に、生徒たちは驚きの報告を受けることになる。
修学旅行先のホテルで…
「朝のお祈りの後、校長先生から事件に関する報告がありました。教室で先生からはSNSなどで『学校名や名前をださないように』と強い言葉で制止されました。優しくて生徒思いの"ヨウイチロー"がまさかあんなことをするなんて…」(学園の生徒)
修学旅行中で教え子の男子生徒にわいせつな行為をしたとして、大阪府警は1月13日、元私立中学の教諭、中村洋一郎容疑者(36)を強制わいせつと傷害の容疑で逮捕した。
「中村容疑者は2019年10月、修学旅行先の長崎市内のホテルの自室で、引率した男子生徒に薬の入った飲み物を飲ませて意識障害を起こさせ、男子生徒の下半身を触るなどのわいせつ行為をした後、口止めに金券(クオカード)を渡したとみられている。帰宅した被害生徒の親が金券を見つけて事件が発覚し、被害届が提出されました」(捜査関係者)
大阪有数の進学校
中村容疑者が教壇に立っていたA中学校は、名門進学校として知られる。
「明治時代から続くミッションスクールで中高一貫の男子校。毎年のように京大や有名私立大に複数人の生徒を送り出す進学校で、高校の野球部は甲子園で優勝したこともあります」(進学塾関係者)
学園の広報担当者によると、中村容疑者は勤続5年で、担当教科は国語。熱血指導で生徒からも好かれており、剣道部とマジック同好会の顧問を兼任していた。