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「残忍なインターネット性犯罪」ラッパーの発言で問題化

「アルペス」がにわかに注目を浴びたのは、ラッパーのシンバがSNSで発言してからだ。シンバは、ファンからアルペスを知り、驚いたとして「拒否できない状況にいる実存の人物を題材に、変態的関係を描写する小説や漫画を販売し、これを集団で隠蔽し援護しているって?」と批判。「n番ルームに続き、韓国社会が警戒し、根絶すべき残忍なインターネット性犯罪」と訴えた。

 n番ルームは、2020年3月に発覚した、インターネットのインスタントメッセンジャー「テレグラム」上で女性を性暴行するなどの動画を流し、金銭を稼いでいた残忍なネット性犯罪事件。主犯のひとりは第一審で懲役40年の判決がでている。

©️iStock.com

 アルペス論争には国会議員も参戦し、保守派の野党第一党「国民の力」のハ・テギョン議員は、アルペスを読んで驚愕したとして、「わいせつ物を売買する市場ができていることが問題」だとし、単独で調査。内容に問題ありとするアルペスのSNS上の110個あまりのIDをまとめたものを19日に警察に提出し、捜査を依頼している。「児童・青少年保護法や性暴力処罰法違反のケースもある」とし、「アルペスは内容により性犯罪として規制すべき」という立場だ。

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「アルペス叩きは女性嫌悪から発している」という批判も

 一方、「アルペス好きの人だけが楽しむ文化であって一般に広く知られるよう公開されているわけでもなく、第二のn番ルームとするのはとんでもない話」とする大衆文化の専門家も多く、「一部のファン文化であるアルペスを重大な性犯罪や反人類的犯罪であるかのように世論化するのは適当ではない。ウェブツーンやウェブ小説にも積極的な性描写が多いのにアルペスだけ苛酷な物差しで見ている」(ヘラルド経済、1月19日)とこうした動きを批判する声が上がっている。

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 韓国メディアはこの論争を本質から離れた「男女の対立」、「ジェンダー葛藤」と報道し、「ミソジニー(女性嫌悪)から発したアルペス叩き」という批判も飛び交った。というのも、「アルペス論争」が煽られた背景に、「イルダのセクハラ問題」に対するバックラッシュの側面もあったためだ。