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「今年は振りかぶって投げようかなと」藤浪晋太郎26歳、“原点回帰”が意味するもの

文春野球コラム ウィンターリーグ2021

2021/01/31
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振りかぶる藤浪の“第1球”が待ち遠しい

 今年初めてマスコミの目に触れる場でブルペンに入った藤浪は、グラブを頭上に掲げた。「振りかぶって投げられるなら、今年は振りかぶって投げようかなと思ってます」。代表取材に、右腕はそう答えた。元々、ワインドアップは本人にとっての原点。春夏連覇を達成した大阪桐蔭時代からプロ1年目の途中まで継続した。

 近年は、制球やフォームの再現性を意識してセットポジションを駆使。2019年にも同じ1月にワインドアップを解禁したものの、春季キャンプ中に修正を余儀なくされていた。「(振りかぶれば)勢いがついたり、リズム、フォームのタイミングが合うかなと思ってるので」。ヨコヅナイワシのような新種でなくても、今や球界で“希少種”となった「振りかぶり」は、藤浪にとって理想と言える。

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 本人は、昨季を終えた時点で迷い続けたフォームに確かな手応えをつかんでいる。ただ、それはあくまで中継地点。求めるものはもっと先にあるし、そこへ向けて動き出したということだろう。もはや当たり前となった取材規制のため、振りかぶる藤浪を直接目にするのは沖縄・宜野座のブルペンになるだろう。今から楽しみで仕方ない。高卒1年目から2桁勝利を挙げ先発の中心を担った20代前半。でも、あれが最高到達点ではないはずだ。今年も凄まじいポテンシャルの開放を妄想してしまう。だから12年目になっても「球春到来」に胸は高鳴る。藤浪晋太郎の“第1球”が待ち遠しい。

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チャリコ遠藤(スポーツニッポン)

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