文春オンライン

コロナを語る「専門家」、信頼できる人とできない人……どう見極めればよいのだろう

2021/02/04

ツイッターでも「有名人」が「悪名人」に

 闇落ちの穴は、テレビのスタジオにだけではなく、ツイッターにもぽっかりと開いている。なぜならツイッターでは、過激で目立つことを言ったほうがバズりやすいからだ。当初はまっとうな発言をしていた人も、つい口走ってしまったことが思わぬバズになったことに味をしめてしまい、同じことを繰りかえすようになる。気がつけば闇に落ちている。

 闇落ちしたワイドショーのコメンテーターもツイッターユーザーも、「これで私は有名人になった」と内心喜んでいるのかもしれないが、その世界の専門家集団や良識ある人たちからは、眉をひそめられている。有名人ではなく、言ってみれば「悪名人」である。

 そして問題なのは、悪名人たちは決していなくならないということだ。福島第一原発事故のときにさんざんデマ的な言動をふりまわした人が、いまもテレビのワイドショーに普通に出ていたりする。新型コロナでおかしなことを言ってる医療関係の人も、きっとそのままテレビで重宝され続けていくのだろう。テレビや新聞の業界が根本的に変わらない限り、この構図は終わらないと思う。そしていまのマスメディアに、そんな自浄作用はない。

ADVERTISEMENT

©iStock.com

 だから一般社会のわたしたちは、この構図が改善されることをあまり期待できない。できることがあるとしたら、自己防衛しかない。つまり、より良い情報がちゃんと得られるような迎撃体制をとっていくということだ。

 そこで、わたし自身がかねてから行っているひとつの迎撃方法を紹介しよう。それは専門家の「集団知」をフォローしていくという方法である。

信頼できる専門家から芋づる式に

 ひとりの専門家は、一見してどんなに優秀で誠実そうでも、その人の発信が正しいかどうかは門外漢にはわからない。医療など専門性の高い分野では特にそう言える。しかし信頼できる専門家はたいていの場合、他の信頼できる専門家たちから信頼されている。これは1990年代終わりにグーグルが検索エンジンで世に出てきた時、売り物にした「ページランク」という技術と同じ構図だ。「良い記事からリンクを貼られている記事は、良い記事である」

 私は以前から、医療で良い発信をしている何人かの人たちをツイッターでフォローしていた。ここから徐々にスタートし、彼らが紹介している医師や研究者のアカウントをフォローし、さらにはこの方たちが紹介し評価している記事やツイートを読んで、それらを書いている人もフォローし、だんだんと信頼できる専門家の人数を芋づる式に増やしていって、「COVID-19」という名前をつけたプライベートなリストにこれらの方々のアカウントを追加していった。

 このリストに入っている医療の専門家の人数はいまは数十人にもなり、毎日かれらのツイートを追いかけていくのはたいへんだが、信頼評価がしやすくなったという点においては絶大な効果があった。

関連記事