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多士済々な日本の若手現代アーティスト

 横山奈美が会場に並べたのはペインティング作品。どれも決して派手ではない静物画なのだが、「ものごとのうしろに隠れているしくみに興味があるし、描きたい」と本人が言うように、よくよく見るとハッと気づかされるところのある絵になっている。

横山奈美の作品 撮影/著者

 画面にはネオン管らしきものが描かれてあって、その光が形あるものを表している。光の美しさに見惚れていると、ネオン管を支えている背後の構造物が目に入ってきて、今度はそちらばかり気になるようになってくる。視点の置き方次第でものの見え方はガラリと変わることを、絵画が端的に示し教えてくれる。

 7人家族のリビングを平面的に撮った写真が並ぶのは、題府基之の展示。お菓子、コンビニ弁当、雑誌、雑多な生活品がごちゃごちゃと写っている写真は、大きく引き伸ばされて展示されると、抽象絵画のようにも見えてくるから不思議。

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題府基之の作品 撮影/著者

 会場の最奥部には、田村友一郎の展示がある。グロリアという言葉に発想を得て、どこかノスタルジーを感じさせるさまざまなオブジェや映像が並ぶ。独特の物語世界に、身体ごと入り込んでしまったような錯覚に陥る。

田村友一郎の作品 撮影/著者

 日本の現代アートは今、こんなに多様でおもしろいことになっている。そうはっきり感じさせてくれる展示だ。