昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/02/14

 そもそも渋沢に理研の設立を訴えたのは、消化酵素剤のタカジアスターゼの開発で知られる化学者の高峰譲吉である。高峰の生涯を描いた映画『さくら、さくら サムライ化学者 高峰譲吉の生涯』『TAKAMINE アメリカに桜を咲かせた男』(市川徹監督、2010~11年、主演はそれぞれ加藤雅也、長谷川初範)では、松方弘樹が渋沢を演じた。

『青天を衝け』出演の平泉成も渋沢役の経験者

 これと前後して公開された映画『筆子・その愛 天使のピアノ』(山田火砂子監督、2007年)は、日本初の知的障害児施設「滝乃川学園」の創設者・石井亮一(市川笑也)の妻で、ともに障害児の教育に生涯を捧げた石井筆子(常盤貴子)を主人公にした作品だが、ここにも同学園の理事長として渋沢が登場する。演じたのは、『青天を衝け』では渋沢の伯父・宗助に扮する平泉成だ。

『青天を衝け』にも出演する平泉成も渋沢役の経験者 ©文藝春秋

 こうして渋沢が登場する映像作品を見ていくと、彼の業績は財界にとどまらず、学術や教育、社会活動などじつに広範におよぶことがわかる。『雲を翔びこせ』では、渋沢が民間に下ってからの活躍は、終わりがけにナレーションや字幕で手短にまとめられていただけだったが、『青天を衝け』ではどれだけ描かれるのだろうか。

 最後に、NHKではこれ以前にも渋沢を主人公にしたドラマとして、城山三郎原作・滝田栄主演の『雄気堂々 若き日の渋沢栄一』が1982年の正月に放送されている。同作はNHKアーカイブスの番組公開ライブラリーでも視聴が可能というので、筆者は地元のNHKに観に行くつもりでいたのだが、あいにく緊急事態宣言のためライブラリーが休止中でかなわなかった。NHKにはぜひこの機会に再放送か、NHKオンデマンドでの配信をお願いしたい。

『青天を衝け』公式ホームページより

この記事の写真(8枚)

+全表示

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー