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「かわいそうなアジアの女性」は大好物 森喜朗辞任騒動に集まった欧米メディアの”ワンパターンな日本批判”

在欧記者が考える「日欧の実生活でそれほど女性の扱いが違うのか」

2021/02/18

 森氏の発言は、米欧の政治家が極めて神経を使う問題に、まるで理解がないことを曝してしまった。

 日本での報道ぶりを見ると、欧州メディアは日本批判でもちきりのように映る。だが、新聞をめくると、よほど注意して探さないと記事は見つからない。インターネットで検索すると、各社の東京特派員はせっせと記事を書いていると分かるが、新聞紙面に掲載されるのはごく一部。テレビのメーンニュースで紹介されるのも、きわめてまれだ。

写真はイメージです ©iStock.com

日本人は「海外からの批判」が大好き?

 今回の件で改めて分かったのは、日本人は「海外からの批判」が大好きということ。ただし、中身によって、態度が違う。

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 例えば、難民受け入れ数が極めて少ないという現状批判には、あまり耳を貸さない。最近では、ミャンマーの軍事クーデターで「日本は民主主義への態度があいまい」(仏紙フィガロ)と評されたが、日本外交に対する欧州の見方にも、関心が高いとは言えない。

 米欧メディアの東京特派員には、同情したくなる。日本は経済大国でG7の一員なのだが、菅首相や閣僚の発言が記事になることは滅多にない。政治、外交記事を書く機会に乏しく、必然的に社会ネタが多くなる。「女性の地位が低い国」や「長老によるムラ政治」が、定番だ。

森氏の後任につくことが確実視されている橋本聖子五輪担当大臣 ⒸJMPA

 英BBCテレビの最近の日本報道は「個性を抹殺する女子大生の就活スーツ」「女性議員に対する侮蔑ヤジ」など、ジェンダーもののオンパレードだった。本社のニュース編成では、こういう分かりやすい話が、採用されやすいのだろう。欧州のメディアは、「かわいそうなアジアの女性」の話が、本当に好きである。

 米欧メディアの、ワンパターンな日本報道。これを転電して、「米欧が批判している」と世論作りに使う日本メディア。この不毛なリサイクル関係が続く限り、日本はいつまでも、世界の中で異質な国であり続けるだろう。

「かわいそうなアジアの女性」は大好物 森喜朗辞任騒動に集まった欧米メディアの”ワンパターンな日本批判”

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