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2021/02/19

株価が高いという「黄色信号」が点灯し始めた

 たとえば、1株1000円の株で、年に1株当たり50円の純利益があるとします。純利益が株主のものだとすると1年に獲得する利益は株価に対して5%です。この利回りを益利回りと呼びます。この場合、PERは20倍です。利益そのままで株価が1250円に上昇すると益利回りは4%となってPERは25倍です。更に株価が上昇して、益利回りが3%になるのは、PER33.3倍です。

 経験的に、アメリカの「S&P 500(米国株式市場の動向を示す株価指数)」は、S&P 500のPERが20倍を超えてくると、少し高いなという水準になったと言われることが多かった。

東京証券取引所 ©文藝春秋

 では、今の日経平均を1つの銘柄として見立ててみるとどうなるか。1株当たりの利益を計算すると1200円くらいなので、株価3万円の現在のPERは大凡25倍です。

 これは、株価が高いという「黄色信号」が点灯し始めた水準といえるでしょう。今後さらに株価が上昇し、PERが33.3倍となる3万9960円になったら、赤信号だというくらいに考えるといい。

 黄信号の3万円から赤信号の約4万円手前までずいぶん幅があるなと感じるかもしれませんが、どこが限界かを予想するのは非常に難しい。ただ、今の日本の株価は黄色信号が灯りはじめた状態だなあと思っておくのがいいだろうと思います。

バブルが弾けて大損する可能性は?

――具体的に危険水域に入った場合にはどうすればよいのでしょうか。

 もし、もうすでにある程度投資を行っている人なら、赤信号の前後で投資の額を微調整するのはいいでしょう。ただし、仮に1000万円投資しているのなら、それを900万円か800万円くらいに落とすのが妥当な調整の限界です。バブルのようだから、持っている株式や株式に投資している投資信託を全部売るとか、半分売るというのはやり過ぎです。

©iStock.com

――これから投資を始めると、バブルが弾けて大損する可能性が高いのでしょうか。

 そうとも言えません。そもそも、仮にバブルが弾けて、株価が3割下がったとしても、株式を持ち続けたらいい。米国の過去の経験では、バブルがはじけてもその損失を取り戻すのに3年程度でした。株価はまた持ち直すことが多い。

 基本的に、株価に上昇と下降の波はあっても、長期的には預金や債券よりも投資収益率が高いことが多い。今から20~30年後に振り返ってみると、「株価2万円でも3万円でも安かったじゃないか」ということになるのではないかと期待して買うのが株式投資の基本的な考え方です。