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高い株も安い株も両方を少しずつ買いなさいが投資のセオリー

――コロナの巣ごもり需要で、任天堂やソニーが上がっているから、それだけを買うというような買い方はダメと。

 その通りです。「例えば、任天堂の業績が好調なことは、みんな知っている。その情報をすべて反映したうえで今の株価がついている」ということです。

 だから、今の時点である企業の株が高くなっていたり、安くなっていたりしても、これからどう動くかは正直分からない。今、値段が上昇している株と下降している株では、どっちを買えばいいかは分からないのです。高い株も安い株も両方を少しずつ買いなさいというのが投資のセオリーなのです。

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「損をしても大丈夫」と思える金額の3倍まで

――具体的にどう投資をすればよいのでしょうか。

 少量ずつ自分で個別株を選んで買い、家庭菜園のように、育てていく方法はあります。自分が何に投資しているか分かる安心感があります。ただし、この方法はバランスを取るのが難しく、手間暇がかかるので、投資を趣味でやる人向けです。

 やりやすいのは、やはりインデックスファンド(日経平均株価やTOPIXといった指数の動きに連動するように運用されているファンド)を利用する方法でしょう。外国株連動型と国内株連動型を半々で買うといいだろうと思います。

 日本の公的年金を運用するGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)は、現在、日本株25%、外国株25%、日本債券25%、外国債券25%で運用しています。外国と国内の株式を半分ずつインデックスファンドで持つという買い方は、世界的に最大級の投資家であるGPIFでもやっている方法であって、概ね無難です。ただし、この内、外国債券は、為替リスクがある割には利回りが高くないので、個人の投資ではあまり必要がないと思います。

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――インデックスファンドにどれぐらいの金額を回すのがよいのでしょうか。

 基本は「損をしても大丈夫」と思える金額の3倍までです。300万円までの損なら耐えられるという場合なら、900万円まで投資できるというくらいに考えて下さい。ただ、健康で且つ定職についている人なら、一時的に運用資産が値下がりしても、働いて稼いだり、生活の中で節約したりすることで、損失の影響を吸収できるので、よく考えると、当面使わないお金の大半をインデックスファンドに投資できる場合が多いと思います。

 もちろん、投資にリスクはつきものです。投資にあっては、損が出た時にも動揺しない胆力と、売らずに持ち続ける忍耐強さが必要です。