昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2021/02/24

 ベトナム系犯罪者で特に目立つのは窃盗だ。外国人による窃盗事件の3割はベトナム国籍の犯罪者によるもの。万引きに至っては実に6割以上がベトナム国籍の犯罪者による。

 捜査関係者は「ベトナム人犯罪グループはもともと集団で万引きした商品を海外に密輸して転売する手口を得意としてきた」と話す。特に万引きのターゲットにされてきたのが化粧品だ。

 日数が経っても品質が下がらず、軽量・小型でしかも比較的高価。海外では日本製というだけで化粧品はかなり高額で売れる。

(写真はイメージ)©️iStock.com

 海外に持ち出すルートも確立されていた。千葉県警や警視庁などが検挙した過去の事件では、国内で万引きされた化粧品は仲介者を通じてベトナムの航空会社の乗組員などの内部協力者に送られていた。

 乗組員らは一般客と違って持ち込み荷物の規制が緩い。化粧品を持ち込むだけなら軽いし、マージンを取ればいい小遣い稼ぎになる。こうして、盗まれた化粧品はひっそりと大量にベトナムに持ち込まれて転売されてきた。

断たれた万引き化粧品密輸ルート

 これまで捜査関係者の間では「ベトナム人犯罪グループといえば商品の万引き」が相場だった。逆に、果物や豚肉の泥棒は昨年まであまり目立たなかった。なぜ、昨年になって突然、食物の窃盗が急増したのか。

 決して新型コロナウイルスによる困窮だけが理由ではない。困窮だけが原因ならむしろ、従来通り化粧品を盗んでいた方が割にあう。

 ここまで来れば、推理を働かせるのも許されるだろう。

 新型コロナウイルスの世界的な拡大は世界中の航空便の往来を激減させている。つまり、従来通り化粧品を日本国内で盗んでも、転売できる国外に運び出す手段が途絶えてしまっているのだ。

(写真はイメージ)©️iStock.com

 ひるがえって、ナシや豚肉などの食物はどうか。いずれも在日ベトナム人SNSを通じ、国内で売買が完結する。しかも、日本国内に住むベトナム人が増えたことで、一定の需要も見込める。新型コロナウイルスに左右されない「手堅い」犯罪なのだ。

(写真はイメージ)©️iStock.com

 新たな「金脈」を掘り当てたともいえる不良ベトナム人グループ。警察当局が捜査を拡充し、金脈の先に牢獄を用意しない限り、当面は続きそうだ。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

この記事の写真(14枚)

+全表示

ツイッターをフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー