「私と雅子二人」「私たち二人」という言葉を使われた天皇陛下
今回の誕生日の記者会見で、昨年8月のオンライン国際会議に出席して、天皇は「オンラインでお話ししてみたところ、臨場感があり、人と人とのつながりを肌で感じることができました」と述べている。そして検討を重ね、オンライン行幸啓を実施したという。つまり、これが実現した背景には、天皇の意思が大きくあり、それを受けて宮内庁が実施に向けて対応したことがわかる。そして、天皇・皇后が並んで行っていることも、おそらく天皇の意思があったからだろう。
1月1日には「新年ビデオメッセージ」が公表されたが、そこでも天皇と皇后が同じ画面に並んで人々に語りかけた。ここでも二人はペアであった。今回の記者会見で、天皇は「私と雅子二人」「私たち二人」「私たち」という言葉を使い、「新年のビデオメッセージでは、一緒に国民の皆さんにご挨拶ができたことを良かったと思っております」とも述べている。天皇は、皇后と一緒にオンライン行幸啓に取り組むことをどこかで喜んでいるようにも見える。体調が万全ではない皇后と共に公務に取り組むことは、天皇と皇后が共にある、もしくは天皇が皇后を支えながらある、という令和の天皇と皇后の二人のあり方なのかもしれない。
愛子さまのご結婚についても…家庭的な姿を見せられた天皇陛下
そして、今回の誕生日の記者会見では、成人を迎える愛子内親王についても質問がなされた。「私たちも、愛子がオンラインで授業を受けているのをそばで見る機会もありましたが、私たち自身も、新たな知見を得ることができたり、何か学生時代に戻ったような気持ちになりました」との言及は、子どもの大学のオンラインでの授業を一緒に見ている一般的な家庭と変わらない像と言えるかもしれない。
また、結婚のことを聞かれ、「結婚のことも含めて、いろいろ将来のことも話し合う機会というものがあるかと思います」とも答えている。皇位継承という公的な問題への質問については答えを避けつつ、プライベートな部分については若干でも言及する天皇。そこに家庭的な姿が見えるかもしれない。