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東村アキコ「いつも同じタイプの顔を好きになる」 洗濯物を畳みながら思い出した相手が初恋の「こうちゃん」だった

東村アキコさんインタビュー #1

2021/03/02

source : ライフスタイル出版

genre : エンタメ, 読書, ライフスタイル

『東京タラレバ娘』『偽装不倫』など多くの名作を生み出してきた東村アキコさん。自身の初恋に着想を得て描いた新作マンガ『私のことを憶えていますか』が早くも話題となっています。

ゴシップサイト編集部のライターとして休みほぼなし、昼夜問わず働く遥(はるか)は、30歳の誕生日に推し俳優SORAの熱愛が発覚してショックを受ける。その場で同僚に“遥が好きになる芸能人は皆顔が似ている”と指摘され、なぜかと考えていたら18年間忘れたままだった「あの子」の記憶が蘇る。3歳下の子が好きだと言えずひた隠しにした初恋。同僚が見つけてきたSORAの子供時代の写真は、まさしくその「こうちゃん」にそっくりだった。

 東村さんにとって、初恋の「あの子」はどんな存在だったのか。自身の初恋についての思い出や、作品に込めた思いを聞きました。(全2回中の1回目。後編を読む)

東村アキコさん

初恋をふと思い出したことが、今回の漫画を描くきっかけ

――『私のことを憶えていますか』(以下、『わたおぼ』)は実話に着想を得た作品だとお聞きしました。どこまでが「実話」なんですか。

東村アキコ(以下、東村) 私の作品はだいたい自分の「実話」か、身近な人の「実話」がベースになっていて、今回のベースは私の初恋です。この話を書こうと思ったのは、私が自分の初恋を思い出したからなんです。

 小学校6年生の時に、近所に住んでいる男の子が好きだったんです、私。でも大人になるまでそのことを忘れていて。ある時ふと思い出したことが、今回の漫画を描くきっかけとなりました。

 いつか描こうと思って、ずっと大切に温めていました。

――「初恋」は、大人になると貴重な思い出ですよね。いつ思い出されたのですか。

東村 40歳の時です。私の場合は、突然思い出したんですけど、誰にでもきっと「初恋の思い出」があって、それを大切に持っているんじゃないかと思ったんです。自分の初恋の話をベースに、みんながそれぞれ頭の中に思い浮かべるであろう「初恋のあの子」を描けたらいいなと思って、そこから長い時間をかけて構想を練ってきました。