菅首相に一本釣りされて今は内閣広報官に
おさらいしておくと、総務省は通信事業者や放送局への許認可権を持つ。衛星放送に使われる周波数には限りがあって政府がその割り当てを決めている。そんな絶対的強者の総務省側がなぜ東北新社の接待は総出で受けるのか。他社の接待は受けていないというのに。
総務大臣を務め、現首相である菅氏は長男は「別人格」と言った。だが山田真貴子内閣広報官のキャリアをみると面白いことがわかる。山田氏は第2次安倍内閣で女性初の秘書官となり、総務省では事務方ナンバー2の総務審議官に就いた。
《首相は官房長官時代から山田氏を高く評価し、昨年9月の菅内閣発足に合わせ、内閣広報官に起用した。》(読売新聞2月25日)
総務省(放送業界に対して存在感が大きい)でナンバー2だった人が、菅首相に一本釣りされて今は内閣広報官になっている。同一人物だ。菅首相の歩みや菅長男のキャリア(菅総務大臣当時の秘書官、そのあと放送事業社へ就職)と合わせ鏡のようにもみえる。
せっかくの飲み会だったのに…菅長男を認識していない?
菅首相は長男が東北新社に入社するにあたって「総務省とは距離を置いて付き合うように」と助言したというが自分は山田氏とは距離を置いていない。総務省との絆の深さの象徴。東北新社からすれば他の人よりお金をかけて狙うだろう。
そんな「密」の秘密をゴチ広報官は我々に教えてくれるのだ。その広報、わかりやすい。
山田氏は、25日の衆院予算委員会の参考人招致では菅長男との関係など詳細を問われると「覚えていない」と言葉を濁した(日刊スポーツ)。
これはヘンだ。山田氏が飲み会に出る理由は「どれだけ多くの人に出会い、多くのチャレンジをしているか」だったはず。せっかくの飲み会だったのに相手を認識してないなんてチャンスを逸している。それとも菅長男は「幸運に出合う機会」ではなく、苦々しい存在だったのか。
恐るべきは菅長男のスターっぷりである。週刊文春は次々と菅長男の写真を載せている。まるでグラビアだ。接待のあと帰宅する総務官僚に向かって手を合わせている菅長男。何をお願いしてるんだ。フォトジェニックすぎる。