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ただ、いずれの町でも繊維産業は廃れてしまい、どちらかというと今では岐阜や名古屋のベッドタウンになっている。
当時の航空写真を見ると…
岐阜羽島駅が開業した当時、この一帯の市街地は竹鼻町付近に集中していて岐阜羽島駅の周りは一面の田園地帯だった。北口の駅前からまっすぐ伸びている目抜き通りはその当時に建設されたものだ。古い航空写真を見ると、その目抜き通りの存在感が今以上に大きいことがよくわかる。
開業から半世紀以上が経って、ホテルもできて私鉄も乗り入れて少しずつ発展してきた。駅の周りを少し歩いてみると、マンションもいくつかあるようだ。1983年には名神高速道路の岐阜羽島ICも開通している。つまりは岐阜の玄関口としての存在感は、どちらかというと年々増している最中といっていい。
行こうと思えばすぐ行ける便利な駅
ただ、いかんせん駅前には高いビルといったらビジネスホテルくらいしかなくて、印象としては平らで空が大きな町。肝心な岐阜市内や大垣市内に赴こうと思えばバスや名鉄に乗り継ぐ必要があって、少々不便といえば不便である。だったら「のぞみ」で名古屋駅で降りて、東海道線の新快速にでも乗ったほうが便利な気がしてしまう。
こういった、便利なようで不便なようでどちらともつかない不安定さが、新幹線のナゾ駅の特徴なのだろう。けれど、ひとつ最後に言っておくとすれば、岐阜羽島駅は東京から約2時間。行こうと思えばすぐ行ける、便利な駅なのである。
写真=鼠入昌史