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ペット防災の始まりは阪神・淡路大震災

 ペット防災の始まりは1995年の阪神・淡路大震災の時と言われています。そこで初めて「災害時にペットをどうするか?」みたいなことが問題になった。それが東日本大震災を経て、よりリアルになったんです。

本田さんの飼い猫「とら」と飼い犬「くま」

 東日本大震災の時はペットを置いて逃げざるを得なかったケースも多々ありましたし、震災後にはペットたちのためにもたくさんボランティアさんが入って、救護をしたり、フードを持ってきてくれたりしてくださいましたけど、やっぱり亡くなってしまう子もたくさん出た。

 そこで「ペットをどうするのか」という問題が現実的になったんですよね。そうして環境省から2013年に「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」というものが発表されました。「災害でこういうケースが起きたらこうしよう」という一応の基準ですね。

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政府のガイドラインも変化し続けている

 ところがその後の2016年に熊本地震が起き、そのガイドラインを実際にやってみたら、いろんな問題が出てきてしまった。避難所に避難したけれど「においが」とか「ペットの抜け毛が」「アレルギーが」とかいろんな課題が噴出したんです。それで今度は2018年にまた環境省から「人とペットの災害対策ガイドライン」という形で改訂された。そして現在は新型コロナウイルスの影響で、その2018年のガイドラインともまた状況が変わって来ています。

©iStock.com

 そういった流動的な状況だからこそ、飼い主さんにはいろんなケースを想定しておいてほしいんです。

 今回の『防災BOOK』に掲載している「災害シミュレーション・チャート」(猫編犬編)を一旦見て、「自分の場合はどうしよう?」を、ぜひ1回やってみておいてほしいと思います。また、家族がいる方はそれをもとにみんなで話し合いをしてもらえれば、さらに問題点が見えてくると思うので、シミュレーションをやるのは大事だと思います。