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渚カヲルと『ウルトラセブン』のあのキャラの共通点 『エヴァ』が受け継ぐ昭和名作のDNA

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』を観る前に知っておいてほしい幾つかのこと

2021/03/08

 苦節数か月、ファン待望の新作映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が来る3月8日(月)にようやく念願かなって公開される。この日をどんなに待ち続けていたか!? という方は少なくない……どころか並大抵の数ではないだろう。

 最近ちょっと驚いたのは、『エヴァ』の原点たる第1作TVアニメや、そこに込められた庵野秀明総監督の、往年の名匠や名作へのオマージュについて知らずに観ているティーンから20代の世代とのジェネレーションギャップだ。もちろん知っていればいいということでもないが、知っていて損もないだろう。そこで今回、ご存知の方にはおさらい、ご存知ない方にはトリビア的に第1作目TVシリーズのその部分をクローズUPしてプレイバックしたいと思う。

2015年、東名高速下り線足柄サービスエリアに登場した「初号機」 ©時事通信社

岡本喜八、市川崑……随所に見られる昭和の名監督へのオマージュ

『エヴァ』第1作にして原点『新世紀エヴァンゲリオン』は1995年10月4日~’96年3月27日まで、テレビ東京系夕方にて全26回にわたって放送された。その斬新な映像や登場キャラクターにメカニック、何より庵野秀明監督のオリジナリティー溢れる演出が話題を呼び、放送中から今で言う“バズり”、そして放送終了後の映画化決定及び公開大ヒットで社会現象にまで発展した、’90年代を代表する名作アニメのひとつであり、レジェンドとなった。

 キャラクターについては割愛させていただきつつ、第七話のゲストメカ、ジェットアローンが、東宝映画『ゴジラ対メガロ』(’73年)に登場した“正義の意志で巨大化する”ロボット = ジェットジャガーのオマージュで、なお且つこのジェットジャガーのもともとの名前“レッド・アローン”から採られていたり、第拾(10)話のサブタイトル「マグマダイバー」が『ウルトラセブン』(’67年)のウルトラ警備隊配備の地底メカ = マグマライザーを意識していることは明白だったり……程度に留め置き、演出についての簡単な解説に移行しよう。

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『シン・ゴジラ』('16年)の演出が、庵野監督敬愛の岡本喜八監督(『シン・ゴジラ』には写真でご出演!)の名作『日本のいちばん長い日』(’67年)や『肉弾』(’68年)を意識している事実は有名だが、第1作目の『エヴァ』は、岡本監督の『ブルークリスマス』(’78年)や『殺人狂時代』(’67年)を強く意識している。特に『ブルークリスマス』の英語タイトル『BLOOD TYPE:BLUE』は、そのまま使徒のパターンに引用されていることはファンには有名な話だ。

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