ホストにお金を落とすためのパパ活
「パパ活のパパは毎日探すの?」
「探すときもあるけど、同じ人と何回かとか、それが5~6人。それと月に20万くれる人が5~6人いたかな」
パパはだいたいが50代の男性で、ときにはいやだって思うこともあったという。
私だって、ずっときれいに生きてきたわけじゃない。しかし、
「大切にしたいと思った人ができたら、ほかの人とはいやだと思うんだけど……」
思わず、口に出してしまった。
「いちばん大切な人はホストだったので、その人を支えるためならって思っていました」
理解できないけれど、もうこれは自分の感覚で話を受け取ったらダメだなと思った。
セックスをお金に換えて、すべてをホストに貢ぐ少女
美和的には、パパ活をしていることに対し、風俗じゃないからいやになったらやめられる、自分は働かされているのではなく、進んで働いているという認識でいたようだ。
「そのとき頭おかしかったかも。1ヵ月にいくら稼げるかメモってて。その月の次の月はもっとこうしようとか。強迫的にお金稼がなきゃっていうのとかあったかも……」
美和はホストを愛しているというより、ホストのためにこれだけ貢ぐことができる自分が好きだったのではないかと私は思った。
セックスをお金に換えて、すべてをホストに貢ぐ。どちらにせよ、もう何も見えていなかったのかもしれない。
「べつにさびしさを埋めるためとかじゃなくて、日常がつまらなかったんですよ。いま思い返すと、それが幸せだったんだなって思うけど、私は刺激を求めちゃったから」
これがいまの子の現状なのかもしれない。むかし私は「普通」にあこがれた。でも、もしかしたらあこがれていたのは「普通」ということではなく、現実からの「脱出」だったのかもしれない。自分がいる世界じゃない、別の世界へ。
選択肢の多いいまの社会、ちょっとしたボタンのかけ違いがその先の人生を別の方向へと進めさせてしまうことがわかった。たとえば、この美和のように非行の道へと。
そのボタンのかけ違いはどこからはじまっていたのだろう。
「自分は傷ついていないですし、傷つけたいと思っているわけでもないんですけど、今回のことで親がどれだけ傷ついているのかがわかりました」
傷つけたい?
ああそうか。美和はセックスで自分を傷つけたい子がいるということを知っているんだ。自分はそれではないっていっているのか。