「宮城には親戚もいない……」父親も不安
――「文春オンライン」です。千里さんから事前に相談はありましたか?
「知り合いから『ちーちゃん(森下)のニュースがテレビでやっとったよ』って電話がかかってきて初めて知った。相談もなにもなかったわ。娘はこっちに帰って来てもすぐに東京へ帰っちゃうから。政治家になりたいとかも聞いたことなかったけど、今は防災士の資格を取るために勉強しとるらしい。
千里には上に長男、次男がおって末っ子だけど性格はしっかりしてるわな。大学を途中で辞めてグラビアで東京へ行ってまったけど、反対はしなかった。反対しても行ってまう人は行ってまうんだって。そうでしょう。少し嫌でも陰で応援したらんとしょうがないと思って。39歳になって結婚もせんかったから、どっちでもいいと本人に任せてます。元気で悪いことやらんかったらそれでいい。なんで事務所を辞めたかもしらんかったけど、まさか政治のほうへ行くとは思わんかった。自民党から出るいうもんでびっくりこいたわ」
森下が地元の愛知ではなく宮城で出馬すると選択したことについては、「宮城には親戚もいない……」と、不安を滲ませた。
「この前、事務所開きのために印鑑が…」
「名古屋の市会議員くらいだったら地元だで、多少の票くらいは入るかもしれないけど、宮城県には親戚もおらん。あっちには地盤も看板も鞄もなにもない。この辺だったらオレも頼んで回るんだけど、名古屋でないもんで票も入れれんしなあ。なんも応援はできんけど、宮城の人のためにできるだけのことをやってほしいわ。(親として)やってあげられることがあればやってあげたいと思っとる。
この前、事務所開きのために印鑑が必要だと連絡があって、用意したところだわ。やる限りは受かってほしいと思うけど、相手が立憲民主党の国会対策委員長でしょう……。とにかく、電話がかかってきたら娘には『宮城の人のためにがんばれよ』くらいしかいうことないと思ってさ」
最後に森下の政治家としての適性について聞いてみると、「腐敗のない政治を娘に託したい」と力を込めて語った。
「娘に政治家の資質があるかどうかはわからん。でも自分の子供はええ子か悪い子か聞かれたら、みんなええ子っていうと思うんだわな。万が一(千里が政治家に)なったら賄賂とかはやらん子だと思う。賄賂のない政治家が一番。どうか、娘を頼みますわ」
彼女の経営する会社に立候補についてメールでコメントを求めたが、期日までに回答はなかった。
父の金言を胸に、“千里”の道を一歩から進もうとする森下。被災地から腐敗のない政治を実現することはできるのか?