3月26日に開幕するプロ野球。何と言っても「目玉」は日本球界に復帰した田中将大投手(楽天)ですが、梶谷隆幸選手(巨人)らのFA移籍組の動向、ルーキーながら豪打を連発する佐藤輝明選手(阪神)など、今年も見どころ満載のシーズンになりそうです。

 昼は甲子園、夜はプロ野球、そして時差を乗り越えてメジャーリーグ……。野球好きの人もそうでない人も、野球の話題を多く目にする季節がやってきました。これだけ日本で人をひきつける野球。その人気を、今回はゲームから振り返っていきましょう。

8年ぶりの復帰になる楽天・田中将大投手(写真は2013年) ©文藝春秋

ますます「現実の野球中継そのもの」に

 最新の野球ゲームで注目を集めているのは、7月8日発売予定の「eBASEBALLプロ野球スピリッツ2021 グランドスラム」(ニンテンドースイッチ)です。球場を再現していることもあり、ゲームを遊ばない人が見ると、現実の野球中継そのもののようです。

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最新作でも登場する田中投手など、毎回選手が更新され続けている「プロスピ」 
長年の進歩で「プロスピ」のグラフィックは現実の野球中継のようになった
「プロスピ」最新作では高校球児として甲子園優勝を目指すことも

 2021年度の選手データが反映され、選手の表情やフォームなどもリアルそのもの。最大4人プレーが可能で、ペナントを戦うモードはもちろん、高校球児として甲子園優勝を目指す選手育成モード「甲子園スピリッツ」もあります。「プロ野球スピリッツ」シリーズはスマホゲームでも配信されていますが、2200万ダウンロード以上という数が、人気を物語っていると言えます。

革命的だったファミコンの「ベースボール」

 まさに「本物」へのこだわった作り込みがなされている最新の野球ゲーム。では、昔はどうだったのでしょうか。

 初期の野球ゲームといえば約40年前の、エポック社の「テレビ野球ゲーム」、カシオの「ゲーム電卓」などでしょうか。たしかに、カシオのゲーム電卓などではボタンの押す長さで変化球の曲がり方が変わり、なかなか燃える一面もありました。ただ、そうはいっても流石にコンピューター自体の性能の限界は否めません。野球は非常に複雑な競技ですから、一部の要素を抽出するにとどまっていたのです。

 それを変えたのが、任天堂の家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ(ファミコン)」で登場した「ベースボール」(1983年)です。

「ベースボール」のゲーム画面(任天堂ホームページより)

 セ・リーグをモデルにしたと思われる6チームから選んで、対戦もできました。4種類の球種を投げ分け、盗塁もできるなど、野球の雰囲気を見事に再現していました。実際に235万本(CESAゲーム白書調べ)を出荷する大ヒットとなりました。