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横浜のタワマンで起きた射殺事件…大島てるが語る「惨劇が連鎖した“悲運の事故物件”」

事故物件の“特殊な数え方” #1

2021/03/27
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 見つけたのは、コインロッカーを管理する会社の社員でした。数日間使用中のままで、料金超過になっているボックスがあったため、扉を開け、中に入っていたバッグを回収。それを会社まで運んだところ、バッグから異臭が漂ってきたため、恐る恐る中身を確認すると……赤ちゃんの遺体が出てきたのです。

逮捕された犯人は……

 死体遺棄の犯人として逮捕されたのは、赤ちゃんの母親である20代の女でした。彼女は自宅でひっそりと出産するも、残念ながら死産だったそうです。

 しかし驚くべきは、同居していた家族の誰も、彼女が妊娠・出産していたことに全く気づかなかった、という点です。彼女もそのことをひた隠しにしていて、一旦は遺体を押し入れに隠したものの、やがて近くのコインロッカーに捨てにいった……というのが、事件の全貌でした。

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 では、この事件における事故物件はどこになるでしょうか。まず、コインロッカーが設置されていた駐車場は、そこに遺体が遺棄されたわけですから、間違いなく事故物件です。一方、犯人の女が住んでいたマンションの部屋も、同様に事故物件と言えます。当初はその部屋の押し入れに遺体が隠されており、いわば死体遺棄事件のスタート地点だからです。

©iStock.com

超高級タワマンで起きた“射殺事件”

 ちなみにこの事件では、私は犯人が住んでいたマンションの大家から訴えられてしまいました。「遺体が見つかったのは駐車場のコインロッカーなんだから、マンションは事故物件じゃない。だからサイトへの掲載をやめろ」という趣旨でしたが、結局、裁判では私の主張が認められ、今もそのマンションには炎アイコンがついています。

 それとは別に、横浜のタワーマンションで今から7年前に起きた射殺事件でも、一つの遺体が複数の事故物件を生んでしまいました。その物件は横浜駅の目の前に位置する、みなとみらいの夜景や東京湾を一望できる超高級マンションです。