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プロ入り初勝利ラッシュ。金久保、今野、坂本も

 初勝利といえば、4年目の金久保優斗が4月14日のベイスターズ戦で先発勝利、昨年楽天から移籍してきた今野龍太が4月23日のドラゴンズ戦で救援勝利。3年目の坂本光士郎が同じく4月24日のドラゴンズ戦で救援勝利と嬉しいニュースが続きました。金久保と坂本は僕が現役時代、後ろで守った間柄。2人とも投球に気持ちが見えるタイプで、野手が「意気に感じるタイプ」の投手。金久保は普段は独特のゆったりとした受け答えで僕を困らせるのですが、マウンドに立てば一変する男です。

 坂本に至っては僕が現役時代は食事にも行ったことがある仲でした。一生懸命に練習するのですが、試合では弱気なピッチングを見せて結果が伴わないことも。そんな時、「自信持って投げろ!お前の球なら絶対に打たれないよ!」と激励したのですが、「ホントですか~?」と言い返してくるようなかわいい奴なんです。僕が打者なら、思わず腰を引いてしまうような強い球が投げられる左腕。坂本が神宮のお立ち台に上がったときは「次も頑張れよ!これからが大事だからな!」とカメラを構えながら思わず声をかけてしまいました。だから3人の「初勝利グッズ」は売れてほしい。ちなみに伝説の6・26「三輪正義サヨナラTシャツ」はバカ売れしたらしいです。僕くらい売れることを期待します。

「勝利打点3」。真打ち・川端慎吾の華麗なる復活

 4月の好調は坂本や今野、今年楽天から移籍してきた近藤弘樹など、去年より飛躍した選手の活躍によることは否めないのですが、この男の復活にもよると思います。

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 川端慎吾――僕の2軍の引退試合でサヨナラヒットを打ってくれた義理堅い男。でもナメた口を利いてくる後輩の一人です。腰痛に苦しんで一昨年、去年と、まったく戦力になれずに悔しい思いを抱えていた男です。

 でも、今年の慎吾は違います。ある日「三輪さん、普通の生活ができるってマジ嬉しいっすね」とポツリと言いました。僕も彼の苦しいときを散々見てきたのでわかりますが、お医者さんに「こんな悪い腰は初めて見た」と言わしめるほど慎吾の腰痛は“別格”だったそう。寝る、起きるの日常生活も困難にさせる “難病”だったんです。

 4月1日、いきなりコロナ濃厚接触者となり離脱、出鼻をくじかれましたが、16日に復帰後は4/18、22、23と勝負どころの代打でヒットを連発。4月30日現在、打率.538、得点圏打率.600の大活躍です。本人もある日のコメントで言っていたとおり1軍で、「今できること」を全うしているのは感慨深い。バッティング練習を見ていても「普通に振れてる」ということがわかって僕は嬉しいのです。

 そんな慎吾がまたやってきて言いました。

「三輪さん、ヤバいっすよ。もう勝利打点3ですよ」。

 開幕してチームはまだ30試合に満たないのに「勝利打点3」。先発出場ではなく本人は決して満足はしていないだろうけど、ひと振りにかけてこの成績。でも僕は全く驚きません。

「そりゃぁ、川端慎吾だもの」。

 慎吾の21年シーズンは始まったばかりです。

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