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本当の問題は「トップの価値観が古くて酷かった」こと

 あれは老人叩きだろうか。私は森喜朗が老人だから酷いとは一度も思ったことがない。森喜朗は20年前の首相当時から一貫して酷かったからだ。「オリンピックを中止させようという意図を持った勢力」が暗躍したというが、オリンピックを開催するなら古くて酷い価値観の人がトップではマズいよ、という悲痛な声のほうが多かったはずだ。今後ずっと恥をかくのは子どもたち世代なのだから。

 それでいうと週刊文春が報じている佐々木宏氏がいつのまにか開閉会式の演出チームトップになっていた過程も同様だ。トップはMIKIKO氏だったのに乗っ取りがおこなわれていたと。

 前回次のように書いた。

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《開会式チームの不透明な乗っ取りで感じたであろう従来からの権力おじさんの理不尽な圧、そして露呈する古い価値観。LINEだけでなく普段から乱れ咲いていたのだろう。五輪がこの状態のまま世界に発信されていいのかと告発者たちが考えたなら、あのLINE画像には公益性がある。》

 しかしテレビではLINE画面の流出が怖いとか、生きづらい世の中になってしまったという佐々木氏への同情論が多かった。

 増田明美氏は『的外れな告げ口に対抗を』(産経新聞3月23日)と書いていた。あれを「告発」ではなく「告げ口」と思ってしまうととんちんかんなことになるという代物だった。

開閉会式の演出問題の告発を「告げ口」と言い切った増田明美 ©文藝春秋

“昭和オヤジスキーム”が擁護される恐怖

 MIKIKO氏は先週末にコメントを発表した。

『MIKIKO氏、五輪式典責任者辞任の経緯明かす「疑問を持ちながら参加するわけにはいかない」』(サンスポ3月26日)

《自身が知らない間に、国際オリンピック委員会(IOC)に新たな企画案が提示されており「企画に一から関わっていない以上、責任が取れるものではありませんでした」と当時の心境を明かした。》

 やはり、昭和オヤジスキームによる乗っ取りがおこなわれていた。

 こんなことが平然と行われているのを大音量でかき消すように、聖火リレーは始まった。

 ゾッとする。