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ダンディ坂野53歳・CM契約数は独走状態…「テレビから消えた芸人」がしぶとく生き残れた理由――2020 BEST5

ダンディ坂野インタビュー #1

2021/05/04

「あれ? もう僕ってお呼びじゃない?」と、急速に不安に

ダンディ 特に我々のような一発屋はブレイク時に殺人的な忙しさを味わう一方で、人気が下火になると忙しかった反動からメンタルが不安定になりやすいんです。僕もブレイク時は仕事の依頼でマネージャーのガラケーが鳴りっぱなし状態で、携帯を充電器に挿しっぱなしにしていないといけないほどひっきりなしに仕事が入ってきました。そんな尋常じゃない数の仕事をこなした後、だんだんとスケジュールに余裕が出てきて身体が楽になってくると、「あれ? もう僕ってお呼びじゃない?」と、急速に不安になるんです。

 

 でも実際には民放のバラエティ番組のような華やかな場所から声がかからなくなっても、地方営業は定期的にあるしお客さんも来てくれる。その事実が、「テレビから消えた芸人」という世間からの厳しい風当たりから心身を守ってくれましたし、ヒロシや髭男爵といった後輩たちがテレビにひっぱりだこの間も、「自分は事務所から見捨てられていない」と感じられるきっかけにもなりました。

 一発屋が斜陽になっても、うちのマネージャーは必ず次の活躍の場を用意してくれる。それが「一発屋製造工場」のスキームとして出来上がっているので、芸人としては非常にありがたいですね。

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サンミュージックの「お笑い芸人」カテゴリー「GET」の由来

――サンミュージックのホームページで「お笑い芸人」のカテゴリーに(GET)と書いてありますよね。これはダンディ坂野さんの「ゲッツ!」からきているものですか?

サンミュージックのホームページ。「お笑い芸人(GET)」と書いてある。

ダンディ 師匠のブッチャーブラザーズさんを頼って事務所に入ることになったとき、はじめてサンミュージックがお笑い班を作ることになったんです。で、ブッチャーさんのほかに芸人は僕しかいなかったし、「ゲッツ!」のネタもあったから「GET」ってつけてくれたんですけど、ブッチャーさんいわく、「ギャグ・エンターテインメント・チーム」の略らしいんです。