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入会金30万円で「年収3000万円保証」…仮想通貨バブルで暗躍する“情報商材業者”の悪質な実態――文藝春秋特選記事

入会金30万円で「年収3000万円保証」…仮想通貨バブルで暗躍する“情報商材業者”の悪質な実態――文藝春秋特選記事

2021/04/22
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返金には応じず、海外逃亡か

「松宮氏には『自分は塾のコンテンツホルダー(著作権者)に過ぎず、販売しているのは別会社。返金の件はそこと交渉して欲しい』とかわされました。指定された販売担当の会社も当初は『支払うカネがない』などと弁解に終始しましたが、私が語気を強めて迫るとすぐに全額返金してきました。早期に強く返金を求めた私は運よく回収できましたが、他の会員はそうもいかなかったようです」

 岡部氏が返金を受けて1年以上経った18年11月、ナゲゼニはようやく香港の取引所に上場したが、その直後に価格が暴落。さらに19年5月には、東京国税局の税務調査を受けた松宮氏が、17年までの5年間の個人所得約3億3000万円を全く申告せず、無申告加算税を含む1億数千万円を追徴課税されたことが報じられた。これを受けて松宮氏は、「ナゲゼニは失敗し、返金対応も資金不足で滞っている。母親の死も重なり、会社を畳むことも検討したが、返金に向けて再度頑張る」との謝罪文をネット上に公表した。

歌手としても活動していた松宮氏。PVでは札束を見せつける演出も(YouTubeより)

「民放のバラエティ番組やラジオ番組に登場して有名になった松宮氏は、スタイリストを付けて、ツルツル頭に口髭と顎鬚という容貌に変身。帝国ホテルに事務所を構え、羽振りの良さを強調していましたが、私が返金を求めた17年にはすでに資金不足だったことからすると、ナゲゼニプロジェクト自体に実体があったのか疑わしい限りです」(岡部氏)

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 全額返金補償に応じない松宮氏に対しては、集団訴訟が提起されている。関係者によると同氏は現在、香港に在住しているとされる。

出典:「文藝春秋」4月号

 仮想通貨バブルによって生まれた「億り人」の現状と、それを狙う詐欺的なビジネスの実態については、「文藝春秋」4月号および「文藝春秋 電子版」掲載の大田和博氏のレポート「『仮想通貨』詐欺と国税があなたを狙う」をお読み下さい。

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「仮想通貨」詐欺と国税があなたを狙う
入会金30万円で「年収3000万円保証」…仮想通貨バブルで暗躍する“情報商材業者”の悪質な実態――文藝春秋特選記事

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