新型コロナウイルスの感染再拡大の勢いが収まらない。

 そんななか、開催に向けて暗雲が垂れ込めているのが、3ヶ月後に迫った東京オリンピック・パラリンピックだ。すでにスタートしている聖火リレーに対しても賛否両論が渦巻いているが、新型コロナの「第4波」は世間の「五輪不要論」に拍車をかけている。

 加えて、開催に向けてネックになりそうなのが、厚生労働省が運用する新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」についての問題である。

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 COCOAについては、すでに不具合の報告が相次ぐなどトラブルが続出しているが、もう一つ、「スポーツの祭典」の本番を迎えるまでに解消すべき課題も浮き彫りになっている。

新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」 ©AFLO

厚労省はCOCOAの不具合を4月になってもなお放置

 それは、中国企業「華為技術(ファーウェイ)」社が製造するスマートフォンをめぐる問題である。

「Android(アンドロイド)を搭載するファーウェイ社製のスマホにCOCOAがインストールできなくなっているのです。トラブルが明らかになったのは今年2月。アンドロイド版のCOCOAに、新型コロナの陽性登録をしたアプリ利用者と接触したにもかかわらず、検知しないという不具合があることが分かったのです。障害は昨年9月から続いており、実に4ヶ月以上も問題が放置されていました」(全国紙社会部記者)

 このトラブルは国会でも問題となり、今年1月21日の衆議院本会議では国民民主党の玉木雄一郎代表が代表質問で取り上げている。

 玉木氏は、菅義偉首相に対して、「かねてから指摘しているファーウェイ社のスマホにCOCOAがインストールできないという仕様はいつまでに改善されるのか」と質問を投げかけた。さらにその場では、ファーウェイ社から事態改善への要請を受けながらも、厚労省が一切の対応をしていないことも明らかにされた。

 菅首相は、「ファーウェイ社のスマホへの搭載については、技術面を継続して情報収集しつつ、精査してまいります」と述べるにとどめたが、筆者の調べで、驚くことに五輪本番まで3ヶ月に迫った4月の段階でも問題を放置したままであることが明らかになった。