「スイングするときはいつもハラハラ」
「カツラの上からキャップを被るのは、サイズ的にまず無理。スイングのときは手で押さえることもできないので、スイングするときはいつもハラハラしていました。しかし、最大の試練はラウンド後にみんなで入るお風呂。カツラを装着したままシャンプーをするとカツラも傷むし、だからといって髪を洗わないのもおかしいですよね。いつもアレコレ言い訳をしてお風呂には行きませんでした」
増田さんは、喜びとともに犠牲を払いながらカツラライフを過ごしていたが、現在はありのままの姿で生活をしている。
「カツラを脱ぐきっかけのひとつは結婚ですね。妻とはカツラを被っている頃に出会ったのですが、さすがに黙ったまま結婚できないと思い、カミングアウトしたんです。すると彼女は『知っていた。生え際が不自然なので、すぐにわかった』と答えていました。周りの人も気づいていたのかと思うと、すごくショックですよね。
今は自前のバリカンで坊主にしていますが、外では気恥ずかしくて帽子を被っています。結局自分は、一生何かを被る運命なのかもしれません……」
増田さんのように、ツラい記憶や試行錯誤を重ねる男性の声は、ほかにも寄せられた。
「女性の『髪の毛なんて関係ないよ』なんて言葉はウソ」
「40歳の頃から薄毛が気になりはじめたのですが、カツラを被ったり植毛をしたりするほどではなかったので、ふりかけタイプの増毛パウダーを使っていました。ところが、突然の雨で粉が溶けてしまい、パウダーが黒い汗のように流れ落ちてきたんです。安物だったからですかね……。黒い汗事件を機に隠すのをやめて短髪にし、ハゲ上がるに伴い坊主にしました」(53歳・公務員)
「30代のときに、結婚を申し込んだ女性にフラれたのですが、そのときは『仕事に集中したいから』と言っていました。しかし数年後、共通の友人から『◯◯はハゲてるから、子どももハゲそうで断った』と、真実を告げられたんです。腹が立つというより、悲しくなりました。女性の『髪の毛なんて関係ないよ』なんて言葉はウソなんですよ」(43歳・プログラマー)