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【日本シリーズ】2005年のロッテ バレンタインが教えてくれたV旅行の意義

文春野球コラム 日本シリーズ2017

2017/11/05
note

【監督・梶原紀章の自薦コメント】

 ついに長きに渡った文春ペナントレースも最後の時を迎えました。正直、広報とし
ての本業をこなしながら毎週、コラムを書くのは非常にタイトな日々でした。解放さ
れると思うとホッとする反面、広報としても貴重なPRツールだったので、少し心細く
もあります。というわけで、セ・リーグの大魔王、ラスボスこと死亡遊戯さんに最後
の決戦を挑みます。あまりにも強い敵で私の現在のレベルでは到底、叶わないと内心
は分かりながらも、勇者の剣を手に果敢に戦いに挑みます。地球のみんな、オラに力
を貸してくれ!

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日本一に輝いた2005年 優勝旅行の思い出

 前回の酉年はマリーンズが日本一になった。あれから一回り。早いものである。31年ぶりの日本一のあの時。私は広報一年目ということもあり右も左もあまり分からないまま、怒涛の取材攻勢の渦の中でなんとか日々をこなしていた。良い思い出はもちろんあるが、どちらかと言えば忙しかったという記憶が濃厚に残っている。そんな中で楽しかった思い出を一つ上げるとすれば、やはり優勝旅行だろう。もちろん現地でも取材対応はあったが今となってはやはりご褒美の色合いの方が強い。

2005年の優勝パレード 千葉ロッテマリーンズ提供

 12月13日から4泊6日の日程で行われた千葉ロッテマリーンズのハワイ・オアフ島での優勝旅行。自宅のあるアメリカ本土からチームより一日早く、ハワイ入りしていた当時の指揮官であるボビー・バレンタイン監督は、選手、スタッフ、そしてその家族合わせて130人にも及んだ大団体の到着を宿泊ホテルのロビーで待ち、両手を挙げて約1カ月ぶりとなる再会を喜んでくれた。

「アメリカには優勝旅行というイベントは存在しない。しかし、これはとても素晴らしい発想だと思う。メジャーにはなくて日本にある良い文化。非常に喜ばしいことだ」

 日本の文化を尊重していた彼は、優勝旅行というメジャーでは聞き慣れない行事に関しての意見を球団関係者から問われた時、そう答えた。そして自らの出席を即決。よりよいものにするため積極的にイベントやスケジュールなど意見を述べていた。

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