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銀次、則本、茂木、辰己…楽天選手に聞いた、移住して知る東北の魅力とは?

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/06/06
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 東日本大震災から10年となる2021年3月11日。

 楽天イーグルスはオープン戦で千葉ロッテと戦っていた。試合前に黙とうが捧げられ、取材時に感じた雰囲気もいつもと違う。いつも以上に東北のため、ファンのみなさんのために戦うんだという静かに熱い想いが感じられた。

 チームはリードを許していたが終盤の8回裏、先頭の村林一輝選手のヒットを皮切りに4点を叩き出し見事逆転勝利をおさめた。東北の底力で掴んだ逆転の白星だった。

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 そしてチームは今日も東北のプライドを胸に交流戦で戦っている。

 12球団唯一の東北にある球団として、東北楽天ゴールデンイーグルスは震災を風化させずに東北から元気を発信していくイベントとして2011年から「がんばろう東北シリーズ」を開催している。

 10度目となる今年は「繋がる」をテーマに、6月18日(金)~20日(日)の3日間のオリックス戦にて行われる。このご時世なので、声を小にして言わせてください。

「みなさん、本当に楽しいから! ぜひ楽天生命パーク宮城に来てくださ~い!」

「がんばろう東北シリーズ」MC:立花陽三球団社長

 

選手にきいた「ズバリ東北の好きなところ」

 今回は選手にきいた「ズバリ東北の好きなところ」をご紹介したい。

 東北といえばこの選手! 先日、ファームで実戦復帰し、即タイムリーを放った銀次選手(岩手県普代村出身)。

実戦復帰した銀次選手 ©河内一朗

 銀次選手「東北は人があたたかいです。その中でも熱い心を持った人が多いところが好きです。ファームでしっかり結果を出して、上に上がって、また東北を熱くします」とても力強い言葉を聞くことができた。

 そんな銀次選手の夢の1つは被災地からプロ野球選手が多く輩出されることだと教えてくれた。「そうなったらみなさん応援してくれると思うし、忘れないでいてくれると思うので」と語った。この先の東北を見据えた熱い人間、熱き野球人だ。

 この秋のリーグ優勝、日本一は銀次選手がいないと考えられない。ここからも夢を乗せて放つ鋭い一打を期待したい。

 そしてキャプテン・茂木栄五郎選手。

「東北のファンの皆さんの応援が本当にあたたかいのが大好きですし、いつも力をもらっています。あとは御飯も美味しくて特に牛タンが美味しいので、これからもたくさん食べたいと思います」

 チームを牽引する茂木キャプテンは、ここから更にチームを勝利に導いてくれる存在だ。牛タンは辛子味噌で食べるのが好きだと話すキャプテン、牛タンパワーでスタンドまでどんどん放り込んでほしい。秋にはスーパーモギモギスマイルがみられる事を楽しみにしている。

茂木栄五郎選手 ©河内一朗

 お次は3年目・辰己涼介選手。

「人があったかいところです。『がんばってー』と気付いたら、みなさん声を掛けてくれますし、東日本大震災という大きな出来事を悲観的に感じさせないくらい元気に、街をあげて明るくいこうというところが良いところだと思いますね」

2021年3月11日の辰己涼介選手 ©河内一朗

 いつも面白いコメントでファンを楽しませてくれているイメージがある辰己選手だが、根は真面目で熱くて、人にやさしい一面を取材をさせてもらう度に感じる。ホームランを打てば「がんばろう東北」を指さすパフォーマンスが定番だが、このアクションをやはり東北・宮城・仙台でたくさん見たい!

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