ルーキー当たり年とも言われる今年。ファイターズでは伊藤大海が開幕から活躍。そしてもうひとり、ドラフト2位入団、五十幡亮汰選手が一軍昇格以降、一気に存在感を増しています。
五十幡がまず僕らに鮮烈な印象を残したのは、スタメン4試合目となった5月14日のソフトバンク戦でしょうか。7回裏、石川柊太投手の高めのまっすぐをパチーン!と引っ叩いた打球は一二塁間を抜けます。球足も速く、やや前進守備だったライトの横を抜けて打球は一気にフェンスまで。速いのは打球だけではありません。カメラはライトからの中継プレーの二塁ベース付近をとらえますが、そこにはもう五十幡の影も形もなく。思わず「ええい! 中継プレーはいい、五十幡を映せ! 五十幡を!」と画面にかぶりつきましたね。結果は余裕の三塁打。
中継ではVTRで俯瞰の映像が流れましたが速い速い加速が凄い、一人だけ早回し状態。セカンドも一気に駆け抜けて三塁へ。滑り込むや否や身を翻して塁上にスタッと立ち上がります。魅せますねーシビレますねー! これ球場で見たかったな! 解説の岩本勉氏も言っておりましたが「良いもの見させていただきました!」まさにそんなプレーでした。
すっかり五十幡の虜になってしまった
思えば彼が一軍に上がってきたのは、日ハム選手陣にコロナのクラスターが発生したことによる「特例2021」の代替選手としての昇格だったんですよね。しかし、離脱選手が復帰してからも五十幡は一軍に残り続けています。
打撃では足を活かして転がすバッティングではなく、しっかりしたスイングをするのが印象的でした。西武戦ではプロ初ホームランをライトスタンド中段まで飛ばすなど、意外にパンチのあるところを見せてくれています。中央大学の先輩、笘篠賢治さんが五十幡のお父さんに「プロに入りたいならしっかりスイングすること」とアドバイスしたそうです。大学ではその教えの通りしっかりトレーニングしてきたんですね。
脚はもちろん言うまでもありません。彼が出塁したらバントは要らないでしょう。走れ走れ。盗塁どんどんチャレンジしましょう。甲斐キャノン相手に、痺れる場面で代走に出しても盗塁してくれましたからね。あと普通に打っても彼の脚でおおよそ進塁打にしてくれる気がします。なんなら「えっ、大丈夫か?」と思うような打球でも次の塁をしっかりゲットしてます。少々の浅いフライでもタッチアップ行けますよ。なんて頼もしい脚!
その脚を活かした守備も素晴らしい。「えっそれ追いつくの?」というくらい前後左右に駆け巡り捕球してます。ヤクルト戦では、センター前に落ちるかという打球を突っ込んで好捕連発したかと思えば、後方への大飛球も追って追ってしっかり追いつく脚力そして球際の強さを見せました(あの2016年ソフトバンクとの天王山での陽岱鋼を思い出すような背走キャッチも)。ツイッターで五十幡で検索するとヤクルトファンからの阿鼻叫喚、いや感想がたくさん見られて嬉しくなりましたね。
そんな感じですっかり五十幡の虜になっている自分がおります。
彼のプレーを知ってしまった以上、一軍の試合で見たい
「そういえば、新しいレプリカユニフォーム、誰にしたの?」
4月のある日、ハム仲間のKさんから尋ねられました。それまで横尾俊建選手ユニを着ていたんですが、トレードとなってしまったのでいくつかの候補を考えてる、という話を以前していたのです。移籍しても岡大海のユニを着ているえのきど監督のように横尾ユニを着続けても良いのかもしれませんが、ファンクラブのクーポン割引もあるし、心機一転新しい「推し」を作るぞという気分で。
ちなみに横尾と交換で楽天から来たのは池田隆英投手。私も池田。ユニを買うなら「IKEDA」はちょうどいいのかも?と一瞬思ったのですが、入れ替わりで来た選手にすぐ飛びつくのもアレかなと、謎に操を立ててしまう池田がおりまして。あと買うなら野手、長く着続けられそうな若手が良いなと思っていたこともあり。
「レプユニ買いましたよ。ヒントは“サニブラウンに勝った男”」
「それもう答えじゃん(笑)」
期待の選手ですしデビューが待ち遠しい一方で、今年は二軍でじっくりでも良いのかなとも思っていました。キャンプ初日からの肉離れもありましたし、何より西川遥輝選手が残留、開幕から淺間大基選手も怪我なく順調に来ていましたから。
そこに来てのコロナクラスターという緊急事態。
代替選手のはずだった五十幡ですが、一度そのプレーを見てしまってからは、もう「二軍でじっくり」なんてつゆほども思わなくなってしまいました。もう戻れません。彼のプレーを知ってしまった以上、一軍の試合で見たい、見せてくれ、見せるべきだそんな風に思うようになっています。スタメンで見たい、それがダメなら勝負どころの代走でも良い、代打でも面白い、守備固めなら心強い、これからも様々な場面で彼が居てくれることの意味を感じることでしょう。