筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者が急性薬物中毒で死亡した事件をめぐって、嘱託殺人罪などで起訴された呼吸器内科医の大久保愉一(よしかず)容疑者(43・仙台市)と泌尿器科医の山本直樹容疑者(43・東京都)の2人と、山本容疑者の母・淳子容疑者(76・長野県)について、京都府警は5月12日、2011年に山本容疑者の父(当時77)を殺害したとして殺人容疑で逮捕した。

 医師2人は2019年11月、京都市内のALS患者女性(当時51)に頼まれ、自宅で薬物を注入して殺害したとして、2020年7月に京都府警に嘱託殺人容疑で逮捕、8月に起訴された。

 逮捕当時に公開した5本の記事を再公開する。(2020年7月23日公開。年齢・肩書き等は当時のまま)

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 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者女性(51)の依頼を受け、殺害した疑いがあるとして、7月23日、宮城県の大久保愉一容疑者(42)と東京都の山本直樹容疑者(43)が逮捕された。女性は昨年11月、京都市の自宅で容体が急変。搬送先の病院で死亡したが、体内からは普段服用しない薬物が見つかったという。

大久保愉一容疑者(クリニックHPより)

 ALSは全身の筋肉が徐々に動かなくなる難病だ。日毎、身体の自由が利かなくなっていった患者女性は、周囲に「安楽死したい」と漏らしていたという。

 京都府警関係者が語る。

患者女性は「スイスで安楽死」を目標にブログ開設

「患者女性は海外でも生活した経験があるキャリアウーマンです。帰国後は東京で建築士として仕事をしていましたが、2011年にALSを発症。地元の京都で24時間ヘルパー支援による生活を送っていました。母親は約20年前に病気で死別、父親が存命でしたが、1人で闘病生活を送っていたそうです」

京都府警

 患者女性は2018年5月に「スイスで安楽死を受ける」ことを目標にブログを開設し、闘病の様子を記録していた。そのなかでは「早く死にたい」「安楽死させてほしい」などの思いが頻繁に綴られている。

付添い人が自殺幇助罪に当たるなんて言うな

《助からないと分かっているなら、どうすることも出来ないなら、本人の意識がはっきりしていて意思を明確に示せるなら、安楽死を認めるべきだ。せめてこんな身体で苦労して海外まで行くのだから安楽死を受けることぐらい許して欲しい。付添い人が自殺幇助罪に当たるなんて言うな!》(2018年5月3日 最初のブログ投稿)

《安楽死を受けるために海外に行くのに付添い人は自殺幇助罪に問われるのでしょうか?専門の方の意見が聞きたい。どうすれば事前に知ることが出来るのでしょうか?裁判を起こせば良いのでしょうか?誰か教えてもらえませんか?》(2018年5月6日 ブログ投稿)