ED治療専門のクリニックを開業
山本容疑者は2016年にED治療専門のクリニックを都内に開業。全国で診療を受けることができるオンライン診療や、訪問診療を行っているのが特徴だ。
山本容疑者はTwitterにこのように綴っている。
《医者冥利に尽きるとき。
1)救命できないと思われた患者さんが命を取り留めたとき。
2)患者さんが医者で私の治療に喜んでくれたとき。
1)と2)ではシーンも意味合いも全然異なりますが、同業者に喜ばれるというのは結構くすぐったいものです。プロとしての道を究めたいと思います》(2018年3月27日)
《プロとしての道を究めたい》という山本容疑者が、なぜ嘱託殺人を犯してしまったのだろうか。山本容疑者の知人が、困惑しながら明かす。
山本容疑者は「ノー」と言えない性格
「今回の一報を聞いて驚きました。彼は、決して冷酷だったり、当たりの強い人ではないんです。それに、安楽死や尊厳死の是非を倫理的に考えて、覚悟を決めて突き進むような人でもありません。そもそも終末医療や難病治療に携わっていたわけでもない。ただ頼まれたら断れないというか、『ノー』とは言えない性格ではある。
どちらかというと山本容疑者は、医者というより“医師起業家”、ビジネスマンですよ。医師免許を活用して手広く事業を展開していました。最近ではがん治療ビジネスにも力を入れていて、海外のファンドから数千万から数億円単位で資金調達をしていますよ」
山本容疑者は、ヨウ素が原材料の未承認のがん治療薬を開発、製造し、医療施設に卸す会社を立ち上げて、代表としてプロジェクトを先導していたという。
「今年の春頃には、『原価数千円のペットボトル1本分のヨードが10万円前後で売れるんだよ』と嬉々として話していました。プロジェクトがこれからという時期に嘱託殺人に手を染めるなんて……。理解不能な行動ですね。目先の金に目がくらみ、ビジネスの一環と捉えて後先考えずに行動してしまったのでしょうか」
京都府警は現在逮捕した医師2人を取り調べ、捜査を進めている。
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