賛美のシャワーを浴びせまくると、ついに乳房があらわに
興味深いことに、真面目そうな女子大生は真面目そうなADが連れてくる。遊んでそうな女子大生はやはり遊んでそうなADが連れてくる。似た者同士がひかれるのだろうか。
外が見えると、かえって脱ぎづらくなるのでは、と私は思っていたが、どうやらそれは私の杞憂だった。
トレーナーにジーパンという地味なスタイルの女子大生はしばらく考え込んだ末に、脱ぎだした。
下着だけになった彼女は、この次、下着を脱ごうかどうか、ためらっている。
私服の上からでは判別できなかったが、下着姿の女子大生の姿態は艶かしい曲線を描き、胸が下着からこぼれ落ちそうだ。
ブラジャーに手がかかった。
サダージ深野の口舌は巧みで、賛美のシャワーを浴びせまくると、ついに乳房があらわになった。
行き交う歩道の中でいきなり脱ぎだしたかに見える。
マジックミラー号製作費30万円の他に、彼女たちへのギャラがトータルで10万程度ですむのだから、空中ファックの散財ぶりに比べたら、はるかに安上がりだ。
「おまえらー! 仕込みなんか用意してたらただじゃおかねえぞっ!」
翌週。
銀座、赤坂、六本木にてマジックミラー号の撮影がおこなわれようとしていた。
高橋がなりは次の企画打ち合わせで忙しいのか姿が見えない。
ADたちの顔に青あざがあった。
言いにくそうにしているが、どうやら前回のマジックミラー号の女性の中に数人の仕込みがいたことに、高橋がなりが怒り狂ったらしい。
スタッフが前もって、通行人がまったく協力してくれなかった場合を考えて、企画系女優を数名、通行人役として紛れ込ませていたという。
たしかに、なかにはいかにも脱ぐのが仕事といったOL風がいたが、素人ではなかったのだろう。
だが、印象に残る短大生などは、やらせではなく本当の通行人だった。
本日は、高橋がなりに内緒で仕込みを用意しているのだろうか。
六本木で粘ってみたがなかなかかんばしい成績があがらない。
マジックミラー号が移動する。
助手席のADが真っ青な顔になって、悲鳴をあげた。
「自転車に乗って……追いかけてきますっ!」
マジックミラー号の後を追って、高橋がなりが必死の形相で自転車をこいでいる。
「おまえらー! 仕込みなんか用意してたらただじゃおかねえぞっ!」
高橋がなりは真底真剣勝負が好きなのだ。
しかし、この男の下で働くADも大変だろう。
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