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新ジャンル「コントと音楽」配信 ブルーノート・ジャパンの「エンターテインメントの新たな在り方」とは

アート・ジャーナル

2021/05/15

 コロナ禍で制約多きエンターテインメント界から、一本の作品が飛び出した。

 エンターテインメントショー『コントと音楽vol.2.5 番外配信編』。本来はライブショーであったものを、インターネット配信コンテンツへと落とし込んでいる。

 企画プロデュース側、制作側、そして演者がそれぞれの立場で「今、できること」を考え尽くした結果、この状況下ならではの新しい創作が生まれた。

中川大志、足立梨花ら豪華キャストによる「コントと音楽」

 これがいったいどんな作品かといえば、収録場所がまずは豪華だ。横浜赤レンガ倉庫にあるライブレストラン「モーション・ブルー・ヨコハマ」を、丸ごと舞台装置として用いた。その空間で何かが起こるのを、居合わせたカメラを通して覗き見し聴き耳を立てるような体裁で、映像は展開する。

撮影:木島千佳 Chika Kijima

 メインの演し物はタイトルにある通り、コントと音楽である。映画・テレビドラマ・演劇などで広く活躍する中川大志、足立梨花、関めぐみ、前野朋哉、山中聡ら実力派の実力派の役者陣が、全力で一幕もののコントを繰り広げる。そうして話のオチは毎度歌と演奏によって飾られる、というユニークな構成をとる。世評高いライブハウスが舞台となっているだけあって、6人編成のバンドが奏でる音楽ももちろん聴き応え充分。

「vol.2.5」との名付けから察せられる通り、「コントと音楽」というステージはすでにシリーズ化されているもの。演出・脚本が演出・脚本が『ステップ』『虹色デイズ』や公開中の『FUNNY BUNNY』で知られる映画監督・飯塚健さん、音楽プロデュースは幾多の映画音楽を手がける海田庄吾さんというコンビによって、ライブハウスでの「新しい表現のかたち」を生み出さんと2019年に初演。「vol. 2」は2020年9月に開かれ、今年「vol. 3」が予定されていたが、時世を鑑み公演中止となってしまった。

 準備を重ねていた舞台がトンでしまうのは、関係者一同にとって大ごとである。が、笑いを創らんという者が意気消沈しているわけにもいかない。どんな状況だって笑い飛ばせなければ! と前を向き、配信のかたちでステージが届けられることと相成った。